Princess of Moonburg(DQ2) 1-5
「ほう・・・見違えたぞ。似合うではないか、ムーンブルクの王女ナナよ」
いつの間にか闇の中から現れる邪神官ハーゴン。
私は勇気を出してにらみつけてやる。
そもそもこんな格好するはめになったのは、ハーゴンが私の服を切り裂いてしまったからなのに。
まあ、あんな服よりも、今のこの服のほうが着心地いいからいいんだけど。
「これは裸でいたくないから仕方なく着たのよ。でも・・・着心地は悪くないですわ」
「クククク・・・そうしていると、まるで女あくましんかんにでもなったようだな」
女あくましんかん?
私が?
「違います。私はムーンブルクの王女です。女あくましんかんなんかじゃ・・・」
ああ・・・どうしたのかしら・・・
なんとなくうれしいような気がするわ。
えっ?
私ったら何を言っているの?
「クククク・・・まあよい。どうやら我が思い通りに行きそうだ」
「思い通りに? それはどういう意味ですか?」
「クククク・・・お前が気にすることではない。そら、プレゼントをやろう」
ハーゴンが私の前に何かを差し出す。
それは小さな薄い小箱のようなものだった。
「これは何ですか?」
「開けてみるがいい」
私はなんだろうと不思議に思いつつも開けてみた。
「わあ・・・」
それは言ってみればコンパクトだった。
ふたの裏側が鏡になっていて、アイシャドウや口紅、それに塗るための筆なんかが入っている。
「これを私に?」
「そうだ。女は美しくあるべきだからな」
にやりと笑うハーゴン。
でも、私はなんかうれしかった。
邪神官ハーゴンなんて言われているけど、それだけの実力を彼は持っている。
そのハーゴンに認められたような気がしたのだ。
ハーゴンが姿を消した後で、私は早速化粧をする。
いずれはここに勇者がやってくるに違いない。
そのときには生まれ変わった私を見てもらうのだ。
田舎くさいムーンブルクの姫ではなく、生まれ変わった私を見てもらうのだ。
私は鏡を見ながらアイシャドウを塗り、続いて口紅を塗っていく。
この口紅はちょっと変わっていて赤くないんだけど、黒い口紅というのはとても素敵。
アイシャドウで黒く染まった目元もすっきりしていい感じ。
なんだかとても気分がいいわ。
うふふふふ・・・
心がどんどん冷たくなるの。
最高にいい気分よ。
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