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Princess of Moonburg(DQ2) 1-4



もう・・・
どうしてこう寒いのかしら・・・
せっかく“あくまのろーぶ”を身につけたのに・・・
手足が冷たくて仕方がないわ。
もう・・・

私はいらだちながら宝箱を開ける。
宝箱の中にはあくましんかんの衣装が一揃い揃っているのだ。
私は黒い手袋と太ももまでのストッキング、それにひざ上までのブーツを取り出すと、一つずつ身につけていく。
ハア・・・
何かしら・・・
寒くはないのだけど・・・
心が冷たくなるような・・・
うふふ・・・
気のせいねきっと。
私は黒い手袋を嵌めた指先や、ハイヒールのブーツを履いた脚をなんとなく眺めてみる。
なんか素敵・・・
あくましんかんの格好とは言うものの、それほど悪くないかもしれないわ。
私は宝箱から頭にかぶるフードを取り出した。
フードまでかぶるのはどうかとも思ったけど、お気に入りのフードが切り裂かれてしまった今、なんとなく頭の辺りが寂しく感じたのだ。
漆黒のフードには頭の左右の位置に尖った角がついている。
武器として使えるようなものではないけど、くだらない人間に舐められないようにするぐらいの役には立つわね。
町の人間たちは、私が女と見るとすぐ舐めてかかるようなところがあるわ。
勇者様が買い物するときには定価で売るのに、私が買うときには割高になっていたり・・・
女だからってバカにするのもいい加減にして欲しいわ。
イオナズンでもぶつけてやろうかしらね。

私は漆黒の“あくまのふーど”をかぶる。
髪の毛をフードから外にたらすとなんとなく気分がいい。
私はさらに宝箱からマントも取り出す。
真っ黒なマントはまさに悪魔の名にふさわしい。
私はこのマントを見ているうちにうきうきとした気分になるのを止められなかった。
なんて素敵なマントなのかしら。
羽織ったらきっと気分がいいだろうな・・・
そう思うともう羽織らずにはいられない。
私は“あくまのまんと”を背中に回して羽織っていく。
うふふふ・・・
なんだか気分がいいわ。
心は冷えちゃってきたけど、躰の冷えは治まったみたい。
私は自分の躰を見下ろした。
あくましんかんの衣装がとても素敵。
なんだか私自身があくましんかんになったみたい。
うふふふ・・・
気分がいいわぁ・・・



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