3話 ドリセミ潜伏

電気拷問で失神していたスカーレットは、カレンにバケツで水を浴びせられ目を覚ました。
「拷問はまだ終わっちゃいないんだよ!」
カレンは荒々しくそう言うと、ロープで天井から吊されているスカーレットの両足首を縛り付け、ずっしり重い石の重りを結び付けた。
石の重さで全身が引き伸ばされ、スカーレットが絞り出すようなうめき声を上げる
「ううああああぁぁ」
「チップはどこ?」
カレンが重りを蹴って揺らす。
「ああ…ううぅぅ…」
スカーレットがうめき声を上げる。
「答えろ!」
カレンが重りに足をかけ、体重をかける。
        
スカーレットの足首に血が滲み、大きな悲鳴を上げる。
「ひぃぎゃあああああ」
カレンが冷たく呟く。
「どうやらまだ伸ばしが足りないようだね」
カレンは部下達に命じ、スカーレットを床に下ろした。ぐったりと横たわるスカーレットの前に割り木を横に組んだ器具が用意された。
スカーレットは引きずり起こされ、割り木が背中に当たるよう立たされる。
部下達によって、両方の手首、足首がロープで結ばれるのを、不安そうに見つめるスカーレット。
カレンがスカーレットに言う。
「後ろを見てごらん」
力無く振り返るスカーレット。4本のロープは滑車にセットされている。
「今からお前の体をたっぷり引き伸ばしてやるよ。覚悟するんだね」
カレンはそう言うと、部下達に命じ、ロープを引っ張らせた。
4本のロープが滑車に巻き取られ、スカーレットの両手両足が後方に引っ張られ、弓なりに反っていく。ロープがピーンと張り詰める。
ギリギリと引っ張られる両手足の痛みに、背中を押す割り木の痛みが加わり、全身に激痛が走る。カレンが叫ぶ。
「さあ白状しな!」
髪を振り乱しながら、首を振って拒否の意思を示すスカーレット。
「白状するんだ!」
カレンはスカーレットの両方の乳房を掴み、上半身を割り木側に押し付ける。
        
「ギィャアアアアア」
悲鳴を上げるスカーレット。
決して白状しようとしないスカーレットにカッとなったカレンは、警棒でスカーレットの首をぐいぐい締め付けながら叫ぶ。
「白状しろ!」
「ううぅぅぐぐぐ」
スカーレットは苦しそうなうめき声を上げ失神した。「チッ、また失神しやがった」
カレンは舌打ちすると、スカーレットを残し、拷問部屋を出て行った。

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ガサラナダの基地は古城を改造した建物で堅固な城壁に囲まれており、北側は大きな湖に面している。
ドリセミ一行は、この北側が手薄と判断した。
明け方、ケイを湖の反対側に待機させた韓信、早紀、ドリー軍曹は霧のかかる湖をボートで進み、北側の城壁に近付いた。
フック付きロープを城壁の端に引っかけ、中に侵入する三人。
                      
韓信「ここからは三方に分かれて探索しよう。目的はスカーレットが捕らえられている場所を探す事」
韓信は3階を、ドリー軍曹は2階を、早紀は1階を探索する事にした。

1階を探索する早紀が、2人の警備の男に見つかった。早紀は、平気な顔をして2人の男の間を通り過ぎようとする。
2人の男が早紀の肩を掴み叫ぶ。
「おい、お前何者だ?」
「私は早紀よ」
早紀はニコッと笑ってそう答えると、2人の男の手首を掴み、前方に回転した。床に後頭部を打ち付け、失神する男達。早紀は探索を続ける。
        
3階を探索していた韓信は長い廊下の奥に、見張りが2人付いている部屋を発見する。こちらに警備の男が1人近付いて来る。
物陰に隠れる韓信。警備の男の背後に音もなく忍び寄り、背中に刀を突き付けながら聞く。
「奥の部屋は何の部屋だ?」
          
「大佐の部屋だ」
男は振り向きながら拳銃に手をかける。その男の腹に刀が突き刺さった。
グサッ
倒れた男を見ながら韓信が言った。
「どうも」

2階を探索していたドリー軍曹が怪しげな部屋を発見する。
ドアの前に立ち、そっとノブに手をかける。鍵は掛かっていないようだ。
ドリー軍曹が部屋に入ってみると、そこには、全裸の女が手足を拘束され、失神していた。
(この女がスカーレットか…何て美しいんだ…)
魅入られたようにスカーレットを見つめるドリー軍曹の背後で女の声がした。
「そこで何をしている?」
         


※この物語はすべてフィクションであり、登場人物および団体は実在しないものであります。

 

 

 

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