4.イーグルと甚兵衛

 

イーグルが目を覚ました。今、自分がどこにいるかわからない。

周りを見回すとガラス張りの病室のようであった。そこに白衣の男と2人の兵士が入って来た。

男「やあ、お目覚めのようだね。ようこそ、拷巣島へ。君が眠っている間、私は君の体の傷を観察していたのだよ」

イーグルもまた拷巣島に連れて来られた1人だった。男は、2人の兵士に目で合図した。

兵士達は、イーグルに巻かれていた包帯を取った。

全裸のイーグルには傷一つなかった。張りのある大きな乳房も、元の美しさを取り戻していた。

男「美しい!ここに運ばれて来た時の君は、因幡の白兎のようにひどい傷を負っていたのに、一体どんな薬を使ったら、こんなに驚異的に回復するのだ?…」

男はしばらくイーグルの体に見取れていたが、本来の任務を思い出したかのようにこう言った。

「君に聞きたい事がある。韓信の事だ。尋問はこの男がする」

男の背後から、眼帯をした大男が姿を現した。

イーグル「お前はジャッカル!」

ジャッカル「よう、イーグル、久しぶり」

ジャッカルは、イーグルと同じアトラスの人間。

クロノスに寝返った事をイーグルに知られ攻撃を受け、崖から落ちて行方不明になっていた男だ。

ジャッカル「イーグル、この傷の怨み、俺は決して忘れない。今から、お前にはたっぷり尋問してやる…」

 

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イーグルと一緒に拷巣島に連れてこられた甚兵衛は、小さな部屋に監禁されていた。

椅子に座り目を閉じていると、スピーカーから男の声がした。

男「甚兵衛君、拷巣島にようこそ。私は、この島の皇帝だ」

甚兵衛「私をどうするつもりだ?」

男「私は君の拷問の腕を高く評価している。私は君の力が借りたい。どうだろう?いい返事をくれないか?」

甚兵衛はしばらく目を閉じて考えていたが、やがて口を開いた「いいだろう…」

男「おお!これは素晴らしい。仲間になった君にプレゼントがある」

部屋に1人の兵士が入ってきた。手には、赤い兜、鎧、マントを持っている。

男「過去と決別した君に、新しい名前を送ろう。君は今から、J卿だ。J卿、君に女の尋問を依頼する」

J卿「イーグルか?」

男「いや、違う。この拷巣島に忍び込み、情報を探っていたこの女だ」

兵士に引き立てられ、後ろ手に縛られた女が入って来た。

J卿「美幸か…」

 

 

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