6話 トランクの中身
土蔵に引き立てられたジェーンは、後ろ手に縛られたまま、両方の大きな乳房を机の上に乗せられた。
重蔵「大御所様(家康)のご命令だ。お前には、何としてでも白状してもらう」
重蔵は、雑兵に命じて、ジェーンの肩を押さえ付けさせた。そして、五寸釘を取り出すと、ジェーンの両方の乳房に打ちつけた。
「ギャアアアァァァー」
ジェーンは大きな悲鳴を上げた。
重蔵「白状する気になったか?」
ジェーンは苦しそうに、肩で息をしている。
重蔵「まだのようだな…」
重蔵は、雑兵に命じ、次の拷問道具を持ってこさせた。それは、熱せられた鉄棒が何本も入った火鉢であった。
重蔵は、そのうちの一本を取り出すと、ジェーンの左の乳房に押し付ける。
じゅぅぅぅ…
「ギィヤアアアー」
ジェーンは熱さから必死に逃れようと体をねじるが、乳房が釘で打ち付けられているため、動けない。
重蔵「白状しろ!」
今度は、右の乳房に鉄棒を押し当てる。次に背中、そして尻。鉄棒が当てられるたびに、ジェーンは悲鳴を上げた。
拷問は明け方まで続いた…
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早紀と甚兵衛は、荒れ寺に隠れていた。二人とも無言であった。
月明かりに照らされる早紀の美しい横顔を見てうちに、甚兵衛はある噂を思い出した。
甚兵衛「思い出したよ…核を持つ魔女、早紀とは、あんたの事だね。」
早紀「そう呼ぶ人もいるわ…」
甚兵衛「そのトランクの中身、おそらくディビー・クロケットだな?」
早紀「そうよ」
甚兵衛「何でそんな物騒な物持ってるんだ?そんな物持ってるから魔女などと呼ばれるんだぞ」
早紀「私は魔女で構わない。私は女神なんかになりたくない。」
甚兵衛「どこから手に入れたんだ?」
早紀「韓信から貰ったの。韓信は…次の戦いで表舞台から、姿を消すわ。よう子と共に自分を封じるつもりよ。これは、いわば韓信の形見。これには、メッセージが込められてる。誰よりも強い女になれ、そして一人で戦えの意味が」
甚兵衛「あんた、まさかこの時代でそれをぶっ放すつもりじゃないだろうな?」
早紀「そんな事しないわ。未来から来た私達が、この時代に介入する事は許されない。ただ…ジェーンにもしもの事があったら話は別よ。私は迷う事なく家康の陣に核を撃つ」
甚兵衛は思った。
(何としてでもジェーンを救わねば。でないと、この女、本当に核を撃つ…)