2話 御嶽山
ジェーンに連れられて、甚兵衛様がU楽町の事務所にやって来た。
早紀「はじめまして。韓信の友人の早紀です。」
甚兵衛様「どうも。甚兵衛です。」
早紀「甚兵衛様に協力いただけるなんて光栄です」
甚兵衛様「いゃあ、お力になれますかどうか」
(早紀?はて、どこかで聞いた名前なのだが…思い出せん…)
ジェーン「所長、それでこれからどうします?」
早紀「今から御嶽山に向かいましょう。そこで、天空僧正という人に会うの。ジェーン、悪いけど、その荷物、車に積んどいて」
早紀は、大きなトランクを指差した。
ジェーン「ひゃあーこの荷物、重いですよー」
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三人は、甚兵衛様の運転する車で、御嶽山に着いた。2時間ほど山中を進み、荒れ果てた小さな寺に着いた。
ジェーン「すいませーん!誰かいませんかー?」
返事がない…
三人は扉を開けて中に入る。中には誰もいない。
ジェーン「こんな所にミイラが置いてある!」
ジェーンが薄暗い部屋の奥に、壁に寄り掛かるように座っているミイラを見つけた。
ジェーンがじっと観察していると、ミイラが喋りだした。
「わしに…何か用か?…」
ジェーン「きゃー!ミイラが喋ったー!」
早紀が駆け寄って、ミイラに言う。
「天空僧正様ですね?」
天空「いかにも…わしが…天空じゃ…」
早紀「天空僧正様にお願いがあります。私達は、過去に行ってどうしてもしたい事があります。 どうか、天空僧正様の法力で、時空に穴を開け、私達を過去に行かせて下さい」
後ろで見ていた甚兵衛様が思った(こんなよぼよぼに何が出来る?)
天空が口を開く「おい…そこの男…今、よぼよぼがどうとか…考えていたろう」
甚兵衛様(ちっ、鋭いな)天空は、早紀の目を見つめた。
天空「うむ…いい目を…している……よかろう…時空に穴を…開けてやる…どこに…開ければ…よいか?」
早紀「真田幸村終焉の地、大阪の安井天神」
天空「よかろう…わしを…そこに…連れて…行け…」三人は、来た道を戻って行く。天空は甚兵衛様がおぶった。
麓に着いた四人は、車に乗り込み大阪を目指す。ジェーンと二人で、天空を支えるように後部座席に乗った早紀が言う。
「甚兵衛様、安全運転でお願いします。急ブレーキとかかけると、天空僧正様の首がもげちゃうので」
甚兵衛様「はいはい」