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(ああぁ…なんだか体に力が入らない…でも、気持ちいいんだ)

ベッドに横たえられたマルクはリリリンの甘い罠に捕らえられつつも、漠然と危機感を覚えていた。
養成学校などで今まで相手をしてきた女性とはリリリンはあまりにも違いすぎた。

「マルク、手をどけて。気持ちよくしてあげるから」

心地よく脳内に響く穏やかな声。
マルクは言われるがままに手足をリラックスさせた。

クチュッ…

敏感になったペニスに指が絡みつく。
ゆっくりと上下にしごかれ、時折指先でカリ首をくすぐられる。

「はっ、あ…」

「ここがいいの?」

相手の反応を見ながら、ゆるゆるとリリリンは責めるポイントを絞ってゆく。
決して痛みを感じさせることなく、延々と繰り返される優しい愛撫。
マルクは試合開始当初と違って無防備にその刺激を受け止めてしまう。

「もっとカチカチにしてあげる」

鼻先に軽くキスをされた。それがまた心地よい。
リリリンの責めは決して激しさはないが、全てマルクの急所にヒットしていた。
どちらかというと淫魔の魅了攻撃に近い。
しかしまったく回避することができなかった。

(このまま僕は負けてしまうのか…)

マルクの心が折れそうになったそのとき、遠くで何かが聞こえた。



「こ、これっ!騒ぐでない。リィナ殿」

ミマール氏がリングサイドでマルクに熱いエールを送っている相方を諌めた。
しかし彼女は必死に叫び続ける。

「マルクくん! まずいってば!! ライムお姉さまにお仕置きされちゃうよー!!!」

文字通りリィナは絶叫していた。
あまりの大声に部屋の外からもギャラリーが何人か駆けつけてきた。

(なんか聞こえる…リィナさんの声かな)

さすがに意識が飛びそうなマルクにも少しは響いていた。
特に、リィナの叫びの中でとてつもなく不吉な文字列が頭に残る。

「おし…おき?」

「えっ?」

マルクがポツリと口にした言葉でリリリンが反応した。

「ライ…ム…おしおき……」

「えっ、えっ??」

今までは夢うつつに横たわっていたマルクの意識が復活しかけている!
リリリンはあわてて指先に力をこめてしまった。


キュキュッ!!

「痛っ…」

手コキの速度を上げようとして、刺激を強くしすぎたことが逆効果になった。
マルクの瞳に光が戻った!


「やばいっ!!」

ガバッと飛び起きてマルクはリリリンと体勢を入れ替えた。

「きゃあっ!!」

あわてたリリリンが思わずマルクに背を向ける。
これが仇となった。

マルクは背を向けたリリリンの肩をつかみ、自分ともどもベッドに仰向けになった!
彼女を仰向けにして自分が下に潜った形をとることで、リリリンの顔を見なくてすむ。

(なんとなく…なんとなくだけど、リリリンと正対しちゃいけない気がする!)

彼の予感は正しかった。
戦う意思を取り戻したところで、再び正面からリリリンとに向き合ったら同じ繰り返しになっていただろう。
マルクの選択はベストに近かった。

「あっ、こんな格好…イヤッ!」

マルクの体の上でリリリンが軽く抵抗してみせる。
この機を逃すまいとマルクは自分の膝を彼女の閉じた両膝に差し込んだ!


「うわぁ…マルクくん、なかなか鬼畜ですぅ」

無理やり開脚させられたリリリンの姿を見て、リィナが思わず両手で顔を覆った。
しかし開いた指の隙間からちゃっかりその光景を見つめている。

「う…い、いやぁ…」

顔を真っ赤にして恥ずかしがるリリリン。
無理もない。
もともと照れ屋の彼女がこんな屈辱的な体勢を強いられているのだから。

マルクはひそかに右手をリリリンの股間に忍ばせて、器用に人差し指と薬指とで膣口を大きく広げた!


くぱぁ…


「イヤぁぁぁぁ……ああぁぁん!」

開かれた先には幸い誰もいなかったが、もはやパニック状態に近いリリリンには耐えられないほどの恥ずかしさに変わりはなかった。

(ほら、みんなに見てもらおうよ)

リリリンの耳元でマルクはささやいた。

「そんなこと言わないで…はぁあ!?」

彼女の羞恥をあおりつつ、マルクは中指でクリトリスを軽く撫でた。
激しい快感がリリリンの下半身をしびれさせる!

「こんなにしちゃって恥ずかしくないの?副隊長殿」

マルクは指先をねっとりと動かしながらクリトリスや膣口、さらには第一関節辺りまで指を挿入した。
その間も言葉責めは止まらない。

「だめっ、だめだよぉ…お願い、もう止めて。恥ずかしいの…」

リリリンが切ないあえぎ声を上げ始める。
快感と屈辱の狭間で揺れ動く彼女に、マルクは小さく囁いた。

(負けを認めるなら止めてあげてもいいよ。どうする?)

その言葉を聴いたリリリンはコクコクと何回か頷いた。
マルクは仰向けの体勢から彼女を解放して添い寝の状態になった。

「じゃあ、気持ちよくイカせてあげる。」

「っ!!も、もういいよ、マル…くうぅぅ!!!」

マルクはリリリンに腕枕をしながら手を握り締めた。
そして足を絡ませて彼女が足を閉じられないようにした上で、優しくクリトリスを撫で上げる。

はじめは拒絶していたリリリンがそのうち脱力してきた。


「あぁん!ダメ…これじゃダメだよぉ…」


「勝ち負けはもう関係ない。僕は君の事をイかせてあげたいんだ。」

マルクの指のすべりが急に良くなった。
おそらく彼の言葉をリリリンが素直に受け止めたのだろう。

クチュックチュクチュ…

きゅいっ…


「ひゃああん!!」

秘所をもてあそぶマルクの指がクリトリスをはさんで優しくひねった!
子宮を突き刺すような甘美な痺れにリリリンがひときわ高い声を出す。

「僕の指で感じて、リリリン」

マルクは陥落間際の美しい少女に優しく唇を合わせた。
それを合図に小刻みに震えていた彼女の体は大きく波打つようにベッドで跳ねた!!


「ひゃ、あぅっ、きゃあああああああああぁぁぁぁ!!!!!」

何度か大きな快感の波に揺らされたリリリンは、その後ぐったりとマルクの腕の中で気を失った。



目を覚ましたリリリンの前には穏やかな顔で彼女を見つめるマルクがいた。

「…大丈夫?」

コクンと頷くリリリン。
そしてマルクのほうを見てにっこりと笑顔を返した。
マルクも思わずドキッとするほどの美しい表情だった。

「私、男の人にイカされたの初めてなの。」

「そっか…それならとても光栄だよ。」

ちょっと照れながら話すマルクを見てリリリンは再び小さく笑った。



「はい、そこまでぇ〜!!!」

「う、うわっ、なっ、あぼおおお!!!」

どすっ

グギッ…

リリリンとマルクの間にリィナが振ってきた。
正確にはフライングヒップアタックである。
とっさにリリリンは回避することができたが、彼女をかばったマルクはリィナの攻撃をもろに受けた!

「マルクくん、もういいでしょ!!テストは合格だってさー」

しかもあたったところは激戦を終えたばかりの腰周り。
ジンジンとした激痛でマルクは半泣きである。
痛恨の一撃を受けて身動きできないマルクをリィナはベッドから引き釣りおろした。
情けない格好でズルズル引っ張られていく。

「じゃあ、リィナたち休んでいいよね、おじゃるー?」

「も、もちろんでおじゃるよー」

あっけにとられるミマール氏の前を通り過ぎてリィナとマルクが服を着替え始めた。

「早く着替えなよ、マルクくん!」

なぜか機嫌が悪いリィナに逆らわないように、マルクはノロノロと動き出した。

「マルク…」

「うん? ああっ、リリリンさん。ありがとう」

「うぅん……」

なぜか頬が赤く染まったリリリンが、マルクの服をベッドの隅から取り出してきた。
彼女がマルクにそれを届けようとするのをリィナが阻止した。

「ムキー! あたしがマルクくんに持ってくからいいよっ!」

奪い取るようにリリリンの手から服を受け取ると、リィナはマルクに向かって服を丸めてぶつけた。
王に一礼するとリリリンは無言で自分の部屋へと戻っていった。
その様子を見てロクイチとミマール氏は顔を見合わせてニヤリとしていた。

…女同士の戦いは始まったばかりである。





もどる  つづく

リリリンの様子を見に行く(※蓋注意!)

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