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『・・・・・』

部屋に帰るまでの道のりが、とても長く思えた。



薄暗い廊下に、ただ一つ伸びる……私の影。
並ぶ扉の一つ…その前に私は止まり、ゆっくりとノブを回した。

―キィ……ッ………

小さく軋む音を立てながら、開かれる扉…。
…見慣れた自分の部屋が広がる。
タンスも、窓も、花瓶に活けた花も…先程と何一つ変わらない。
……ただ、一つ増えた。ベッドの上に、佇む貴女…。

『おかえり。どうだった?』

…扉を閉め、無言で彼女に近付き……その隣に腰掛ける。
未だに意識は仄かに虚ろ。焦点がいまいち定まらない。

『・・・・・』

…ぽんっ、と軽く私の頭に乗った手が、心地良く撫でられる…。
…………身体を少し寄り掛け、ぽつりと…私は呟いた…。

『……男の人に…イかされちゃった………』

………彼女は、何も答えなかった…。
撫でられる手と、頬に当たるたわわな胸。
…その温もりの中…、先程の出来事を考える……。
彼の指…。彼の声…。彼の優しさ……。
……魅力的、と言えないのは………嘘である。
彼のような男性を、他に知らないわけじゃない。
ただ…身体でそれを感じたのは、初めてだった…。

『……リリリン』

不意に、彼女が私に呼びかける。

『…気持ちよかった…?』

……………小さく、頷いた…。

『…そっか……』

………頭を撫でていた手が、きゅっ…とみみたぶを摘まんできた。
一瞬…息を呑み、身を震わせる。擦るように、僅かながらの愛撫…。
…瞳を彼女に向けると……優しく微笑む、貴女が映った……。

『―コノハ…おねぇちゃん……』

どちらからともなく、引き寄せ合う様に唇が重なる…。
軽いニ、三度の触れ合いから、舌を艶かしく絡め合うキスへ。
その際…何か小さな玉が口の中に押し入れられた。
抵抗はしない。彼女の全てを受け入れたいから…。

『ふぁ…っ……』

下腹部に滾る様な熱がふつふつと湧くのを感じる。
…初めての感覚では、ない。生えてくる薬だ……。
……相手が男の人だったと言った所為だろうか…。

『…苦しい……?』

…下着からはみ出たそれに、指先が触れる…。
その指先はすぐに絡み付き、ゆっくりと上下に擦り始めた…。
深く抱きしめ、私は快感に耐えながら肩の上で頷く。

『…今のリリリンは、男の子かな? 女の子かな…?』

訊ねながら、彼女の空いた手が秘所をなぞる。
クチュ……クチュッ………と響く、淫らな水音。
両方の音が混じり、同じように快感も混じり合う…。
引き寄せられ…更に求めるように、腰をうねらせる私…。
私を犯す彼女の手を、私もまた、犯すように……。

『はぁっ……はっ………は……あぁぁぁっ…!』

……呆気無く、虚しささえ覚えるような無音の中………私は射精した。
吐き出す欲望は、彼女の太股に飛び掛り……へばり付く…。
…再び擦られる手に合わせ、尿道に残ったものがだらしなく垂れ落ちる…。
身を震わせ、悦楽を味わうも……まだ、火照りは治まらない…。
腰を振り、怒張したそれの求めるものを彼女に伝える。
ただ、本能的に。ただ、野生的に。そうすれば分かってくれると信じて疑わずに……。

『……おいで…』

ふ…と目をやると、いつの間にかお尻を向けた彼女が映った。
……光景を、ただ呆然と見つめ………頭ががらんどうのまま、身体が動いた…。
犬のセックスのように…腰に手を掛け、秘所に当てがい……埋没していく………。

『ひゃぁ…っ……♪』

どちらの鳴き声かも分からぬまま、腰を打ち付けた。
また射精していたかもしれない。わからない。
ただ、それは小さな波だ。分かる…。大きな波が迫っている…。
その波を目指し、蠢く膣内に肉棒を乱暴に擦り付ける。
カリ首に絡む襞。裏筋を撫でる愛液。先端にキスする子宮口…。



『あぁっ…! やっ……んぅっ………ふぁ…ぁっ…!』

徐々に背筋が反り、腰が逆側に折れそうな感覚…。
止まらない。それを求めているから。それが欲しい。
ただ今は何よりも……それが欲しい………ッ!
渇望が頂点に達したとき、私は彼女の肩を掴んで、抱き寄せるように奥を突き上げた。

『ひきゃっ…!? ぁっ………んううぅぅぅぅぅっ―――――!!』

……………ぎゅぅぅ…っときつく中が締まる。
それに潰され…最奥で、精液を吐き出すペニス…。
…太股に、勢いよく掛かる……温い何かを感じる…。
………きゅ……きゅ……と断続的な痺れの中、私はゆっくり……目を閉じた………―――。



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『…して、リリリンはどうした?』

『落ち着きましたよ』

『ふむ…。初めての経験のようじゃったから、ちと心配だったのじゃが…』

『大丈夫です。そんなに軟な子ではありませんから』

『そうか。ならばもう下がってよいぞ』

『はい…』



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…コツ………コツ………コツ………

『・・・・・』

…コツ………コツ………コツ………

『……男の人にイかされた、か……』

…コツ………コツ………コツ………

『・・・・・』

…コツ………コツ……………

『…どう、変わるかな…。それとも……』


―キィッ………

『あっ…。アネキ、おかえりっ!』


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