「・・・リィナはマルク君のこと、好きだったよ・・・・・・」
彼女の最後の言葉がマルクの耳に届くと同時に、腕の中で力を失っていたリィナの姿がだんだんと影を薄くしていった。
そして少しずつ少しずつ・・・確実に光の渦の中に飲み込まれていくリィナを、マルクはどうすることもできずに呆然と見つめていた。
(リィナを・・・僕がリィナを殺したんだ・・・・・・)
自責の念に苦しむマルクに追い討ちをかけるルシェの言葉が背中に突き刺さる。
その時、マルクの視線の先にキラリと光るものがあった。
「えっ・・・」
マルクはリィナが消え去った跡に何かが残っていることに気付いた。
(・・・・・・???)
ぼんやりと光る球体、とでも言えばいいのだろうか。
薄いピンク色にキラキラと輝く宝石。
それはマルクに触れられることを切望しているかのようだった。
背後で話し続けるルシェに気付かれないようにマルクはゆっくりと手を伸ばす。
指先に確かな手ごたえがあった。
優しく慎重に手のひらで包むと、マルクの頭の中にリィナのイメージが広がった!
(マルクくん、リィナはずっとあなたといっしょだよ・・・)
今、はっきりとリィナの声が聞こえた!
絶望感でいっぱいだったマルクの心に光が差し込んだ。
そしてその瞬間、彼は理解した。
これがスライムと心を通わせたものだけに与えられるという特別な感覚・・・
マルクは「リィナの心」を手に入れた!
背後でルシェが何か話していたが、マルクにはどうでもよかった。
ただ、ルシェの口調がリィナを嘲っていることは明白だった。
「うるさい!リィナのことを悪く言うな!! お前は・・・僕が倒す!!」
マルクの気力がみなぎる一喝に、ルシェの顔色が変わった。
「あら、意外と立ち直りが早いのですね。それとも実は薄情なのかしら?あなた・・・」
不思議そうな表情のルシェを無視して、マルクは両手に魔力を集中させる!
強敵に対して力を出し惜しみしても仕方ない・・・彼は自らの中に封印していた最強技「時を操る召還術」でルシェを葬り去るつもりだった。
「初めて私と会ったときは身動きひとつ出来なかったあなたが・・・」
ルシェはゆっくりとマルクに近づいてくる。
彼女の体にはうかつに近づけない淫欲のオーラが渦巻いていた。
マルクはというと、体中の魔力をかき集めているために身動きが取れない!
あと少しだけ・・・自らの手の中で魔力が最大になるまでには、もう少しだけ時間がかかる。
「どこまでやれるのか楽しみですね・・・♪」
ルシェは相変わらずゆっくりと間合いを詰めてくる。
マルクとの距離がどんどん縮まってくる。
(よしっ!)
ポンッ!!
次の瞬間マルクの手のひらに魔力が弾けて、小さな天使と悪魔が召還された!!
「マルク、お久しぶりでっす〜」
白い天使・リリアはぐーんと伸びをしながらつぶやいた。
「おっ、敵だぜ!! キキキー!!」
黒紫の悪魔・ブロムは小さな槍をルシェに向けて叫んでいた。
(リリア!、ブロム!! 二人とも僕に力を貸してくれ!!)
目をつぶって呼び寄せた2体の魔物に心の中で祈りをささげる。
彼らはマルクの手のひらに再び染み込んでいった。
そしてマルクは左手の魔力を開放して、リリアの力で自らの体力を全快させた!
この召還術は「時を進める魔法」と「時を戻す魔法」を同時に発現できるのだ。
時を戻すリリアの力で、今までの激戦で消耗した自分の体を万全の状態に戻すことには成功した。
あとは残りの魔力を開放して、ルシェを昇天させるだけだ。
ブロムの影響で黒く染まった指先に力がこもる・・・
「おそいっ!」
ルシェに向かって一気に間合いを詰めるマルク。
彼は自分に向かってくるルシェの懐深く入り込んで、彼女の股間に手を伸ばした。
その動きを読んでいたかのように、ルシェはマルクの肩を支点にして宙を舞った!
「ずいぶん直線的な動きですね?」
淫らな微笑み・・・そしてマルクの背後に回り、後ろから手コキを開始する。
しなやかなルシェの指がマルク自身に絡みつこうとした直前だった・・・
「なっ、なんっ・・・はああああああぁぁん!!!!!!」
マルクの耳元でルシェが歓喜の声を出した。
自分の攻撃がルシェにかわされることをマルクは予測していた。
そしてかわされた瞬間に、反対の手に魔力を移して背後のルシェの秘所を攻撃することに集中したのだ。
「この勝負の読み合いは・・・僕の勝ちだ!」
マルクの指先は確実にルシェのクリトリスにヒットしていた。
そして広がる超振動。ルシェの股間に黒紫の魔力が炸裂した!
彼の指先は魔力の効果で通常時の数千倍の快感を相手に与えることが出来る。
「ふああっ、・・・・・・いやあああぁぁぁぁ!!!」
プシャアアアァァァ!!
その効果は絶大だった。一瞬で勝負が決まった。
ルシェの股間から盛大にあふれる愛液。
ブルブルと震えながら快感を耐えるルシェだったが、強力な魔力に裏打ちされたマルクのテクニックの前にはひとたまりもなかった。
ひざから崩れ落ちるルシェ。
彼女は抵抗もむなしく光の渦に巻き込まれる・・・はずだった。
「なぜ・・・なぜ消えないんだ!?」
マルクのその問いかけには床に崩れ落ちたルシェは応えられなかった。
しかし間違いなく絶頂している・・・満足そうな表情をしている・・・・・・
ギイイィィィィィ・・・・・・
ルシェの顔色をうかがおうとした瞬間、マルクの背後で扉が開く音がした!
振り返ったマルクの前に、宮殿の入り口にいた少女・・・弱々しい印象の少女がたたずんでいた。
「あの・・・その・・・」
モジモジとしている衛兵の少女。
しかしマルクは見逃さなかった・・・戦いの中で研ぎ澄まされている彼の五感が衛兵の少女を強敵だと知らせる。
そしてひとつの仮説を導き出した。
「そうか・・・・・・きみが『ルシェ』その人なんだね・・・・・・」
マルクの言葉に少女は小さく首を縦に振った。
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