「リ、リィナ!」
いつもと同じ見慣れたツインテールの髪型に柔らかそうな大きめのバスト、愛くるしい顔立ち・・・
マルクの目の前にいるのは間違いなくリィナだった。
「僕です!マルクです!!」
自分のふがいなさのせいで連れ去られてしまった彼女を取り戻すためにここまできた彼は、
リィナの隣にいるルシェには目もくれず必死に語りかける。
心の中に安堵が広がり、自然に笑みがこぼれそうになってしまう。
「・・・・・・?」
何かがおかしい。
リィナはマルクの声に反応しめさない。
それどころか彼女の目は彼を捉えていなかった。
まるで強い薬剤を投与されたかのようにリィナの視線は中をさまよい・・・朦朧としていた。
「ルシェ! 彼女に何をしたんだ!!」
リィナの異変にすぐに気づいたマルクは、殺気をみなぎらせた瞳でルシェを睨みつけた。
特に悪びれる様子もなくルシェが口を開く。
「本当に大変でしたのよ・・・人間の、スライムバスターの『呪縛』からリィナを救うのは。」
「ふっ、ふざけるな!」
周囲の空気がびりびりと震えそうなほど、マルクは殺気立っていた。
自分にとって大事な人が目の前にいるのに声が届かない苛立ちをルシェにぶつけていた。
しかし緑髪の淫魔・ルシェはあくまでも冷静だった。
「何をそんなに息巻いているのです。リィナは元々淫魔なのですよ。私は人間にそそのかされて淫界に戻れなくなった彼女を元に戻しただけです。」
ルシェはニヤニヤと彼を見つめながら続ける。
さらにリィナの肩に手を回して、リィナを抱き寄せる。
「だいたい彼女ほどの腕利きを捕虜にして、何も交渉してこないあなたたちはどういうつもりなのです?」
まるで人間が淫魔をさらったとでも言いたいような・・・
被害者のような物言いに苛立ちを隠せないマルク。
「捕虜だと!? リィナは捕虜なんかじゃない!! いったい何が狙いなんだ」
マルクは不適に笑う緑髪の淫魔が、何か企んでいることを見抜いていた。
「ふふ、なかなか勘がいいのですね。私の目的はすでに半分達成しました。」
ルシェは抱き寄せたリィナの頭をポンポンと撫でながら語り始めた。
「一つは彼女、リモーネ家の次女・リィナを淫界に連れ戻すこと。」
そこまで話すとルシェはマルクのことを睨み返しながら語気を強めた。
先程までのマルクと同じく憎しみを込めた眼差し・・・
言葉には出さないが、ルシェの視線からは人間に対する軽蔑と憎悪だけしか感じ取れない。
「もうひとつは・・・スライムバスターに捕らわれたリップスのナンバー2・ライムを救い出すこと。」
その言葉にマルクは驚いた。
どうやら彼女は本気で人間がスライムを捕らえていると考えていたらしい。
リィナもライムも自分の意思で人間界にとどまっているというのに!!
「ライムさんは僕の師匠と一緒にいる!ここにくるわけないだろう!! それに・・・・・・」
マルクは事情を説明しようとしたが、途中でやめた。
おそらくルシェは話し合いが通じる相手ではない・・・彼女の言葉尻からそのことを感じ取っていた。
「ふふっ、ライムがここにこないと言うのですか? それがそうでもないのですよ。」
すぅっ・・・とルシェはマルクを指差した。
「あなた・・・スライムバスターの愛弟子のあなたがいれば・・・・・・」
その言葉でマルクは全てを悟った。
ウィル達がいないときを見計らってリィナをさらったことも、この宮殿の地図を渡したのも、全てはその為だったということか。
ハンター候補生のマルクを自分たちの居城の奥深くで捕らえてしまえば、人間界との捕虜交換などさまざまなカードとして使える。
「それから、あなたがここまで敵らしい敵に出会わずまっすぐこれたことも偶然ではないのですよ。」
ルシェの指先がマルクから、その背後のドアに向けられる。
すると、ドアがあったはずの空間が消え去ってレンガの壁になってしまった!
マルクは退路を絶たれた!!
「あなたはリィナに好意を寄せているようですから、必ずここに乗り込んでくると思ってました。ですから最大限の敬意を払って、戦闘は出来るだけ排除してあげたのです。」
「・・・リィナさんを元に戻せ!」
マルクはルシェの言葉を無視して叫んだ。
もはや臨戦態勢である。
ルシェを倒すためには、体中の魔力を集めて先手を取るしかない。
マルクがルシェに飛びかかろうとした瞬間、意外な回答が返ってきた。
「まあ・・・今なら間に合うかもしれないですね。そのためには彼女をイかせる必要がありますけど。」
「な、なんだと!!」
マルクはルシェの言葉を待った。
まだリィナが元に戻る可能性はあるのだろうか?
「私の淫気を再注入したばかりなので、今のリィナの精神は非常に不安定なのです。ですからそれを吐き出させて、あなたの精を与えれば・・・あなたの言う『元通り』に戻るかもしれませんね?」
そういい終わると、ルシェは一歩下がってリィナの両肩に手を置いた。
一瞬だけリィナの両肩に緑のオーラが絡みついたように見えた。
「それにリィナもあなたとバトルしたいようです。どうしますか?」
ルシェに促されてリィナのほうに目をやると、彼女は先程までのうつろな表情が消えて淫らな笑みを浮かべていた。
それはマルクにとってははじめてみる表情だった。
(こ、こんなの・・・いつものリィナさんじゃない!!)
リィナはゆっくりと服を脱ぎだした。
そして徐々に淫気を解放してきた!
あたりに甘い香りと桃色のオーラが立ち込める・・・
(どうしても戦わなければならないのか!?)
リィナの様子を見てマルクも気を引き締めた。
そしていったんはルシェに向けた矛先をリィナに向けなおした。
大事なものを守るため、愛するがゆえに戦う・・・その難しさをマルクは感じ始めていた。
「私の名はリィナ・リモーネです。侵入者さん、気持ちよくしてあげるね?」
ニコニコしながら近づいてくるリィナ。
まるで初めてあったときの様に・・・マルクの頭の中に記憶がよみがえる。
(リィナさん! 本当に僕のことがわからないのか・・・・・・)
マルクは複雑な心境だったが、勝負に専念することにした。
気を抜いたら一瞬でやられる。
リィナはそういうレベルの相手だ。
彼は正面からリィナに近づいて彼女の両手を拘束した。
「あんっ、ずるいですぅ!!」
マルクは片手でリィナの両手を頭の上で固定する。
リィナはマルクに抗議したが、お構い無しで彼女の股間に手を伸ばした。
ぬちゅっ・・・
リィナはすでに愛液をにじませていた。
マルク得意の指先による女性器への愛撫がリィナに炸裂する!
「えっ、やだっ、感じちゃう・・・すごい上手ですぅ〜」
ほどなくしてリィナが腰をくねらせ始めた。
序盤を制したマルクは勢いに乗って彼女を責め立てる。
「は、はやく・・・あなたの・・・立派なものをリィナにください!」
記憶を失っているとはいえ、やはりリィナの顔は可愛い。
瞳をうるうるさせる彼女を見てマルクはそう思った。
そしてリィナに求められるまま挿入を開始する!
・・・彼は忘れていた。
リィナの膣はウィルでさえ苦労した名器であることを・・・
(ふふっ、油断大敵ですよぉ・・・♪)
リィナはマルクに見えないように小さく舌を出した。
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