無料エロ同人

Princess of Moonburg(DQ2) 1-1



「あう・・・こ、ここは・・・?」
私は薄暗くひんやりした場所で目を覚ます。
いったい何が起こったのだろう・・・
勇者様のお供をして、邪神官ハーゴンを倒しこの世界に平和をもたらすために数多くのモンスターを倒してきた。
いよいよ邪神官ハーゴンのいる神殿に向かうため、宿で休息を取っていたところまでは覚えている。
でも、そこから先の記憶がないわ・・・
いったいどうして私はこんなところに?

「ククククク・・・目が覚めたようだな、ムーンブルクの王女ナナよ」
私はいきなりの声に飛び起きた。
すぐにいつもそばにおいていた“いかずちのつえ”に手を伸ばそうとする。
でも、ここは宿じゃなかった。
ベッドの脇に立てかけてあった“いかずちのつえ”のあった場所には何もなく、私の手はむなしく空をつかむだけ。
仕方なく私はベッドから降りて身構える。
「誰? 誰がいるの?」
周囲は闇。
ベッドの周りだけがかろうじてそばに置かれた燭台のろうそくの明かりで見えるだけ。
怖い・・・
ここはどこ?
勇者様は・・・トンヌラはどこ?
どうして私一人なの?

「ククククク・・・数々の魔物を打ち倒してきたお前たちでも、一人ではやはり心細いかな? ムーンブルクの王女ナナよ」
闇の中からさらに声がする。
私は恐ろしさのあまり悲鳴を上げそうになる自分の気持ちを必死に抑え、いつでも唱えられるように呪文を脳裏に思い浮かべた。
私の知っている魔法の中でも最大の破壊力を誇る“イオナズン”。
精神力の消耗が激しいので何度も使える魔法ではないけど、この魔法に耐えられるモンスターは多くないわ。
「誰なの? 姿を見せなさい!」
私は闇の中に向かって怒鳴りつけた。
“怖がるな・・・”
“相手が何者かわかれば対処もできる”
私は勇者様の言葉を思い出していた。
まずは相手を知ることだわ。

「ククククク・・・おびえることはない。ここは我が神殿。誰もお前に危害を加えたりはせん」
闇の中からゆっくりと姿を現したその存在に、私は心の底から驚いた。
「あなたは・・・邪神官ハーゴン」
「ククククク・・・そのとおりだムーンブルク王女ナナよ。我こそハーゴン。この神殿の神官だ」
私の前に現れたのは伝え聞いていた姿のままのハーゴンだった。
胸に悪魔の紋章を染めた白いローブを身に纏い、右手には赤い水晶球をはめ込んだ杖を持っている。
にやりと笑った口には鋭く尖った歯が並び、耳はひれか何かのように頭の左右に広がっている。
言いようのない威圧感を持つ魔物たちの統率者ハーゴン。
そのハーゴンが今私の目の前にいた。
「あ・・・ああ・・・」
私は思わずへたり込んでしまいそうになる。
勇者様・・・
助けて・・・

「ククククク・・・怖いか? 数々の魔物を倒してきたお前でも我は怖いか? ん? ムーンブルク王女ナナよ」
ハーゴンがにたにたと笑っている。
まるで獲物を前にしていたぶっているかのよう。
“気合だよ。気合で負けちゃだめだ”
勇者様の言葉が私の脳裏に思い浮かぶ。
そうだわ。
気合で負けたらモンスターにつけ込まれてしまう。
気合で負けちゃだめ。
「怖くなんか・・・怖くなんかありません。あなたこそ覚悟しなさい。もうすぐここに勇者様とトンヌラが来るわ。あなたはもうおしまいよ」
私は必死に勇気を奮い起こしてそう言った。
そうよ・・・
きっと今に勇者様が来てくれる。
犬にされていた私を救ってくれた勇者様がきっとまた来てくれるわ。
きっと・・・

「クククク・・・勇者とはあのへもへものことか? それにトンヌラ王子とな。やつらならば今頃何が起こったのかすらわからずに、右往左往しているころだろう」
「ええっ?」
私は言葉を失った。
確かに宿からいきなり私が消えたというだけでは、何が起こったのかわからないだろう。
きっと今頃は私を探して宿の周囲を探しているのかもしれないわ。
ああ・・・私がここにいることを伝えられれば・・・
「クククク・・・やつらなど恐れるに足りん。それよりもお前がここまで強くなるとは思わなかったぞ。今のお前ならば我が配下にふさわしい。どうだ? 我に仕えぬか?」
「な、何ですって?」
私は耳を疑った。
ハーゴンは私に邪神をあがめろとでも言うの?
どうしてそんなことができるというの?
「ふざけないで! 誰があなたなどに仕えるものですか! 私は勇者様とともにあなたを打ち倒して、邪神の復活を阻止して見せます!」
「クククク・・・勇ましいことよ。だが考えてみよ。世界は弱肉強食なのだ。力ある者が力無き者を支配する。それが正しい世界ではないか?」
そんなことない。
断じてそんなことはないわ。
「違います! 力があれば支配していいなんてことありません! ましてや力のために邪神をあがめるなんて赦されることじゃありません!」
「クククク・・・言いおるわ。ますます気に入ったぞムーンブルクの王女よ。重ねて問おう。我がしもべになるつもりはないか?」
「あるわけありません!」
私はきっぱりと拒絶した。



次へ

BACK TO GALLERY
TOP PAGE

画像掲示板レンタルアダルト無料ホームページ