もはやライムに対して敗北することはない……
勝利を確信したヒュプノは、さらに激しく腰を打ちつけ始めた。
グチュ……ギチュッ、クチュ……!!
「そら……もう一段階激しくしてやろう」
「あ、あんっ、ひゃあああぁぁぁ〜〜!!」
心の中で己の股間に生えたモノに命じる。
ヒュプノの思い通りに形や速度を変える「双頭の刃」がライムの身体に快感を刻みつける。
「すごい……こんな動き、はあああ!!」
「そのままイくがいい。無防備になったその瞬間がお前の最期だ……」
さらに妖しく腰をくねらせるヒュプノ。
まるでライムの身体を中心に八の字を描くように動かす。
膣内のあちこちに媚薬がたっぷりと滲んだ淫具をこすり付けられ、ライムは愉悦の表情を浮かべた。
このまま快感に身を任せてしまいたい……そんな誘惑を振り払い、一瞬だけ歯を食いしばって我を取り戻す。
「さっき言ったでしょう? まだ負けない、って!!」
「……まだ強がりが言えるとはたいしたものだ」
ほんの少し戻ったライムの闘志をかき消そうとさらに激しく腰を動かすヒュプノ。
だが股間に装備した「双頭の刃」が急停止した!
キュウウウウウ!!!
「止まった!?」
「ウフ…………そろそろ一分過ぎた頃よね?」
驚くヒュプノの腰を両手で挟むように押さえるライム。
何の抵抗もなく振り立てていた腰が無理やり止められた。
それだけではない。
ライムの中に埋め込んだ「双頭の刃」自体が完全に停止したのだ。
激しく動いていた「双頭の刃」……そのピストンやグラインドを、ライムは膣の締め付けだけで破壊した。
ヒュプノが男性だったなら、この締め付けだけでイっていただろう。
「あの状況で逆転なんて出来るわけが……!」
「か弱い淫魔が少し出来のいいオモチャを持ったからって…………私に勝てると思わないで!」
だがライムの腰の動きはそれだけでは終わらなかった。
ピタリと止まった腰の動きがさらに「双頭の刃」を搾り上げて、膣を責め立てていた刃をもぎ取った!
「はああぁぁっ!!」
ピキッ……
「うそっ!!」
ライムに押さえ込まれていたヒュプノの腰の抵抗がなくなる。
それと同時に抜け落ちる刃
「こんなことが起こるはずが……」
「フン、いい気にならないでよね」
抜け落ちた刃が地面に落ちて元の黒い棒状の物体に戻る。
真ん中あたりからへし折れて、故障のせいなのか煙が小さく立ち上った。
ライムはつまらなそうにそのオモチャを廊下の隅に蹴飛ばした。
「さあここからは私のターンよ」
「ひっ……」
ライムの瞳が一瞬だけ黄金に輝く。そして再び朱に染まる。
彼女の身体を包み込む淫気はまるで炎のようだ。
そのサディスティックなオーラに圧倒されたヒュプノは逃げ出そうとした。
しかし、
(ダメ、足が動かない……動けない! ……なんなのこいつ!?)
足腰が震えているだけでなく、精神が不安定で冷静になれない。
ヒュプノの動揺は当然なものではあった。
性撃力を飛躍的に高める淫魔術を施したアイテムをあっさり破壊され、彼女は心の底から恐怖を感じていた。
金縛りにあったように身体がうまく動かない。そうする間にもゆっくりと近づいてくるライム。
「ねえ、どうされたい?」
そっとヒュプノのあごに手をかけ、顔を寄せる。
小刻みに震える獲物を見てニヤリと唇の端をゆがめる。
「容赦しないわよ。女同士ならなんでもありよね?」
「やめて……!」
「つれないわね。さっきまであんなに素敵だったあなた……たっぷり可愛がってあげる。」
ズプチュッ!
「んっ、んん!!!」
「フフ……」
上から見下ろしたまま、ライムはヒュプノの唇を奪った。
相手の口の中で遠慮なく舌先を躍らせ、とりこにする。
無防備にそのテクニックを味わえば、男女問わず瞬時に脱力させられてしまう。
ほんの数秒間のキスで、ヒュプノの腰が砕けた。
「あはぁ……ああぁ……」
「綺麗な顔……あなたみたいな人、久しぶりだわ。まだ許さない。」
尻餅をついてしまったヒュプノに覆いかぶさりながら、真上を向かせる。
獲物の後頭部をしっかり片手で支えながら、突き刺すようなキスを浴びせる。
「ふぐっ、うぅん!!」
「んふ……ゆっくり味わってあげる。」
ライムの猛攻に目を白黒させるヒュプノ。
キスだけだというのに意識が朦朧としてきた。
(このまま続けられたら私は……壊される……)
それでもライムはキスを止めない。
それも当然のことだ。
自分のテリトリーを荒らした侵入者に対して手加減など不要だ。
やはりあの時撤退しておくべきだったと、ヒュプノが半ば諦めの境地に入ったときだった。
「んあっ! ふあああぁぁ!!」
ふいにライムのキスが止まり、ヒュプノの口元が自由になった。
「ヒュプノ! 何をしているのッ」
「ターナ……」
すっかりとろけきったヒュプノの目には、ライムの背中を羽交い絞めにしているターナの姿があった。
どうやらターナはライムの隙を付いて後ろから「双頭の刃」を突き刺したらしい。
「しっかりしなさい。私がこいつを動けなくしているから、あなたは前から愛撫して!」
「わかった……!」
ヨロヨロと立ち上がるヒュプノを見ながら、ライムは背中に張り付いたターナに向かって言った。
「人が楽しんでいるときにジャマするなんて、マナー違反にもほどがあるわ」
「ほざけ! 貴様こそ私の作った淫具を蹴飛ばしたではないか!」
怒りの念をこめてターナはライムの股間に突き刺した刃を変形させる。
羽のような形をしていた刃が一角獣のツノのように長く硬く変化した。
だが今度はライムにダメージを与えられない。
「気に入らないわ。今の不意打ちもさっきの言葉も。」
「なぜ効かない!?」
「私を動けなくするですって?」
ライムの膣内に突き立てたターナの刃の動きが止まった。
そして元のように羽の形へと戻っていく。
「揃いもそろって、あんたたち……自信過剰ね!」
両腕に力を込めて、ライムはターナを振りほどいた。
燃えるように熱い淫気を至近距離から浴びて、吹き飛ぶ侵入者たち。
「きゃああっ!」
「くううっ!!」
ターナの刃はヒュプノのように壊されることはなかったが、完全に機能を停止してしまった。
「ほらほらほら、動けなくするんじゃなかったの?」
余裕の笑みで倒れたヒュプノたちを見下ろすライム。
歯軋りをしながらターナが言った。
「やはり本体はケタ外れに強い!!」
「ふん、何言ってるんだか………………本体ですって?」
ターナの言葉を聞いてライムもようやく気が付いた。
自分の背中から出した粘分身が一体足りないことに。
「まさか私の分身を倒したというの?」
それには何も答えず、じっとライムをにらむ侵入者たち。
分身のひとつは侵入者の一人といまだバトルの最中である。
だが確実に一体は消されているようだ。
「もっと楽しんで、朝までいたぶってあげようと思ったけど気が変わったわ。」
さらにまずいことに交戦中のライムの分身も相手に押され気味のようだ。
「今すぐ潰してあげる」
ライムの顔から余裕が消えた。
目の前にいる侵入者……ヒュプノとターナ。
彼女たちをここでしとめておかないとまずいと認識したのだ。
さっきまでとは違って明確な殺意を感じ取ったヒュプノは撤退を決意した。
「ここはいったん退くぞ、ターナ! レイカ!!」
「逃がさないわよ…………きゃああああっ」
ドンッ
背を向けて逃げようとするヒュプノたちを追いかけようとしたライムの背中に衝撃が走った。
そして前のめりに倒れこむライムの脇を、分身と戦っていた黒服の淫魔が駆け抜けた。
「いたしかたないな……勝負はお預けだ」
黒服の淫魔は、あっさりと自分の戦いを放棄して、分身をライムのほうに投げ飛ばしたのだ。
「待ちなさいっ!!」
「その名前、覚えておくわよ……ライム!」
ヒュプノを抱きかかえて、振り返りざまにターナがライムをにらみつけた。
立ち上がろうとするライムを、ぐったりと骨抜きにされたライムの分身が邪魔をした。
結局、足早に遠ざかる侵入者たちを取り逃がしてしまった。
(逃がしちゃったけど、まあいいか……)
しばらくして完全に適の気配が消えてから、ライムは大きなため息を吐いた。
ライムの活躍のおかげで、突然現れた3匹の淫魔を追い払うことは出来た。
しかし彼女たちはこの館に大きな傷跡を残していった。
明日の朝になればハンター協会から人が来る。
そのときに今夜の出来事を報告しなければならない。
「それにしても……あいつらの中にいたレイカって……」
なんとなく心に引っかかるのはその名前だった。
ターナとヒュプノという淫魔の名前はまったく聞いたことがなかった。
だが、最後に分身を投げつけた黒服の淫魔。
(誰だったかしら……)
耳の奥に残るその名前を、
そのときのライムは思い出すことが出来なかった。
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