無料エロ同人

「ずいぶん香ばしいケーキね。」

楽しみにしていたマルク特製の紅茶ケーキ。
それはライムの予想とだいぶ違うワイルドな焼き上がりだった。
茶色というよりは黒に近いこげ茶色。
そんな焼き具合を見てライムが眉をひそめた。

「ねぇ、マルク。これ本当に食べられるの…?」

切れ長の目でにらまれたマルクの背中に
ドクドクと冷や汗が流れていた。

「きょ、今日はちょっと深い味わいを出そうと思いまして」


なかなか手をつけないライムの脇で、
ウィルとリィナは美味しそうにケーキを食べていた。

「おー、なかなか美味しいよ。マルク!」

「ホント、見た目以上のものがありますぅ」

この二人はよほどのことがない限り食べ物に難癖はつけない。
しかしライムはなかなかのグルメ。味や盛り付けにうるさい。

「・・・まずかったらタダじゃおかないわよ。」

「ははっ、ははは…」

力なく笑うマルク。
ライムはようやく紅茶ケーキを食べ始めた。

「と、ところで師匠?」

無理やり気まずいムードを払拭しようとするマルク。
口をもぐもぐさせながらウィルが視線を上げた。

「リィナさんと僕とでクリスマスBF選手権というのに招待されたのですがー」

「あ、そうなんだー!今年もライムと二人で行こうと思ってたけど、今回はマルクたちが誘われたんだね」

相変わらずのほのぼのムード全開で、ウィルが答える。
ぶすっとした表情でライムも会話に加わってきた。

「マルクにとってはいい修行になるんじゃない?」

どうやら黒紅茶ケーキの件は、クリアしたようだ。

しかしマルクは気がかりだった。
BF相手のことや開催場所などについての情報がまったくない。

「・・・去年は私が準優勝したわ。」

ポツリとライムがしゃべりだした。
隣のウィルはうんうんと頷いている。

「僕は残念ながらベスト8だったかな。最後の相手は強かったなぁ・・・」

「どんな人が師匠の相手だったのです?」

どうやら勝ち抜きトーナメント制らしい。
この二人でも優勝できなかったのか、とマルクは素直に驚いていた。
世の中にはずいぶん強い人たちがいるようだ。

「僕の相手はエミリアさんていうメイドさんだった。
 すごい身のこなしだった。結局彼女が優勝したんだよ。」

前年の優勝者は女性。
しかもメイド?

「へぇ、驚きですぅ。お姉さまの相手はどんな人だったのです?」




「そのエミリアよ。悔しいけど負けちゃったわ。」

リィナも楽しそうに聞いている。
しかしライムは複雑な表情だ。
今年はエミリアにリベンジするつもりだったのかもしれない。

「マルク、リィナ、どっちでもいいから今年はあんたたちが優勝しなさい。命令よ。」

紅茶ケーキを食べ終えたライムはさっさと自分のお皿を片付け始めた。
つられてリィナたちも動き出す。


「ところで、どうやって現地に行くのです?」

「ああ、それなんだけどね・・・」

行き方については思っていたより簡単だった。
BF選手権会場は絶海の孤島らしいので船もたどり着けない。
しかし高度な魔法で包まれているので生活に不自由はないらしい。

移動手段については全てゲートを使用するらしい。
それによって淫魔も人間もどこからでもBF選手権会場に入場できる。
入場のカギとなっているのは送られてきた招待状だ。

マルクとリィナの場合は招待状に記載された日時に、
転職の神殿裏側まで行くと期間限定のゲートが開いているそうだ。

そこをくぐれば招待主のミマール氏のお城に入れるようになっている。

「簡単ですね。」

「うん。でも身体チェックを兼ねた入場テストがあるよ。」

ぼんやりと思い出したようにウィルが答える。
すかさずリィナが質問した。

「なんですかぁ?それ」

「簡単なバトルだよ。でもまあ、リィナとマルクなら大丈夫さ!ははは」

この笑顔に何度騙されたことか、とマルクはため息をついた。

しかし何も始まってないのに不安がってもしょうがない。
若干の不安を残してマルクとリィナは当日までの時間を過ごすのだった。



もどる  つづく

画像掲示板レンタルアダルト無料ホームページ