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僕の名前はウィル。

一般的には戦士とか、淫魔ハンターとか呼ばれる特殊な仕事をしている。

だいぶ世の中が平和になってきたこの頃でも、淫魔による被害が後を絶たない。

いたずらな淫魔の出現によって、多くの男女が惑わされ、犯され。淫魔化されていく。

淫魔となった男女は、人間として重要な生殖機能が消滅してしまう。

つまり人間の子供が産めなくなってしまう……といえば事の重大さを理解してもらえると思う。

大げさではなく、僕は社会を守る仕事をしているつもりだ。

そんな中でも、僕は「粘体を操り人間を犯しつくす敵」……俗に言うスライムを追い払うことに対してはハンター協会屈指の腕前だと評価されている。

そんな僕のことを、人は「スライムバスター」と呼ぶ。

なんとなく恥ずかしい響きだと感じるときもあるけどそれは内緒だ。



最近、僕にかわいい弟子が出来た。

協会から派遣されてきた男の子で、スライムを倒す勉強をしているという。

今は住み込みで僕の家で修行中だ。


さて、社会を守る偉大なスライムバスターの僕ですけど……普段は主夫。

今日は買出しに出かけている。

淫魔退治をするときの相方であり、恋人でもあるライムと昨夜セックス勝負をした。

結果は惨敗。気持ちいいけど悔しい結果となった。

ちくしょう……今でも昨夜のライムの勝ち誇った顔が目に浮かんでくる。


「ウィル、約束があったわよねぇ。私が勝ったら何でも言うこと聞くって言ってたもんね?」


そんなわけで、一週間は僕が買いだし当番だ。

目的の街まではあと30分くらい歩かなければならない。

買出しに行っている間、ライムには僕の弟子・マルクの稽古に付き合ってもらうことにした。

彼の実力では、おそらくボロボロにされているんだろうなぁ……それもちょっと心配だね。


いつもの道を歩く。

秋になってきたせいか、紅葉が目に付くようになった。

そういえばこの場所で、ライムと出会ったんだよな。ちょっと物思いにふける瞬間。




「どちらまでいくんですかぁ?」

僕の思考を遮るかのように、木の影から一人の少女がひょいっと現れる。

そして親しげに僕に問いかけてきた。

「えっ……? ちょっと街まで行くんですけど……」

明らかに怪しい。

この通りはいわば裏道みたいなもので、普段は人は通らない。


さらに怪しいのは、少女の可愛らしさだ。

ピンク色っぽい茶色のつやつやとした髪。

それを可愛くツインテールに結んでいる。

目は大きくて、少し垂れ目っぽい……ロリって程でもないけど。

背はそんなに高くない。

しかし顔がちっちゃくてとてもスタイルが良く見える。

脚も細いな……なんて思う。

秋の優しい風に似合うようなクリーム色の服と、ミニスカートから可愛らしく伸びている脚。

肌の色も白くて綺麗だ。

洋服の上からは、ふっくらとした彼女のバストが伺える。

全体的に柔らかい印象の可愛い女の子だ。


「ふふっ、いいお天気ですね。ご一緒してもいいですか?」

彼女の少し甘えたような声が、とても心地よい。

しかし……


「せっかくだけど…………断る!!」

以前もこんな風なシチュエーションがあったような気がする。

僕の勘では、この子は間違いなく淫魔。

この展開なら……絶対そうだ!


「きみ、全身から淫気がにじみでてるよ……(←もちろん適当)」

「ええっ〜〜? やっぱりバレちゃいますか? 何かおかしかったかなぁ……」

少女は胸のあたりをさすりながら悪びれずに微笑む。

そして少し垂れ目の可愛らしい表情が消え、口元が色っぽく淫らに変化する


「私、あなたに返して欲しいものがあるんです……」

ちなみに僕はこの子と貸し借りをした覚えは無い。

黙って少女を見つめる。

「私の名はリィナ・リモーネ。あなたが奪った私の大事な先輩……そう、ライム先輩を淫界へ連れ戻しに来たんです!」



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