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今年も四月に入ってだいぶ暖かくなってきた。
今日は日曜日だが、社会人の俺にとってはただの月初の休日。
しかしご近所・・・というか、お隣さんにとっては賑やかな春になりそうだ。

「タカヒロいるー!?」

窓の外から元気な女の子の声・・・いや、メチャクチャ大きな声。
俺の部屋は二階だというのに隣で叫ばれたくらいに感じる。
この声の主は・・・

「シカトしないでよー! 可愛い奈緒ちゃんが呼んでるんだよっ!!」

お隣さんの娘、広瀬奈緒だ。たしかこの4月から進学・・・のはずだ。

「うるせーぞ、奈緒。静かにしろ」

俺は窓の外に向かって叫んだ。
奈緒に負けず劣らず俺の声もうるさいかもしれないが。

「ねえ、今からそっち行くよー!!」

そう言った直後、奈緒は俺の家の玄関を開けて階段をトタトタ登ってきた。
勝手知ったる他人の家・・・というやつだ。

しかし最近では久しぶりだ。
就職するまでは毎週のように奈緒は俺の部屋にいた。
一昨年から結構忙しくて、日曜日も仕事とかいろいろあって奈緒と遊んでやらなかった。
ま、たまにはこういうのもいいか・・・そんなことを考えていると、部屋のドアがバーンと開かれた!

「ひっさしぶりー!!」



そこにはミニスカートの奈緒が立っていた。
あれっ、こいつこんなに背が伸びてたのか・・・!?
奈緒は真っ黒な艶のある髪を後ろでひとつにダンゴにしていた。
そして大きな青い髪止めで結んでいた。

「このバレッタ、かわいくない?」

髪止めを指差してほれほれと笑う奈緒。
俺の記憶では目が大きいだけの幼い女の子のはずなのに、奈緒は劇的な進化を遂げていた。

すらりと伸びた手足はもうほとんど大人の女性だ。
最近の女の子は成長が早いと聞いていたけど・・・
白とピンクのTシャツの下には少し膨らんだ胸とくびれたウエスト、首には可愛いペンダントが光っている。
うっすらと少しだけ襟からのぞく鎖骨はかなり魅力的だ。

「実は一年ぶりなんだよー! タカヒロのところに来るのは」

ほほぅ、そんなに経ちますか。
デニムのミニスカートから白く健康的な脚がのぞいている。
その脚の長さを際立たせているのはルーズソックスだった。
靴下フェチの俺から見ても満点の着こなしに、不覚にもドキドキしてしまった。

「おう、久しぶりだな・・・とにかく座れよ。」

「うん、すわるー!」

奈緒は俺の隣にチョコンと座った。
俺もベッドから身を起こした。この部屋にはソファーはない。
いつもなら二人して並んでテレビを見るとか、ゲームをするくらいだ。

奈緒の隣に寄り添うようにして座る。
ほのかに香水のにおいがした。

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