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【前回までのあらすじ】

悪のカードコピー組織「ダークセメタリーズ」を追う海馬と遊戯。
敵が差し向けるデュエリストたちを次々と打ち破る二人。

だが組織を壊滅させる一歩手前で遊戯の仲間、アンズが拉致されてしまう。
遊戯は一刻も早くアンズを助けるために海馬と二手に分かれて戦うことにした。

少ない情報を頼りにアンズがいる場所を単身目指す遊戯。
ようやくたどり着いたその先には、悪の組織によって洗脳されたアンズがデュエリストとして彼の前に立ちふさがった!




「よくここまできたわね。遊戯、私と勝負よ!」

やっとアンズの元にたどり着いた遊戯たち。
しかし目の前にいるのは闇の組織に心を奪われたままのアンズ……


(相棒、どうする?)

遊戯はためらっていた。
自分たちの技量をもってすれば彼女をデュエルで敗北させることは容易である。

だがそれは彼女の魂に傷をつけることにもなりかねない。
デュエルはそれほどまでに精神力を消耗させる。
判断しかねた彼は内なるもう一人の自分に問いかける。


『アンズを助けるためにはデュエルするしかないよ!もう一人のボク!!』

洗脳されたアンズを元に戻す。
敵の呪縛を説くために、ほんの一瞬でも精神をリセットせねばならない。
そのためのデュエルとはいえやはり危険すぎる。

「あなたに選択の余地はないの。さあ、はじまりよ!」

アンズが一枚のカードをドローする!
周囲の風景が一瞬で変わる!!


「なんだここは……!?」

「フフッ、あなたにふさわしい場所でしょう?」

遊戯たちの周りに展開されたのは廃墟と化した古城。
かつての栄華を誇るように、彼らの周りには鎧や剣、装飾品や豪華な服などが転がっている。


「くっ! 仕方ない、デュエル開始だぜ!!」

遊戯もデュエルディスクにカードをセットした。




(いったいどんな戦い方をしてくるのか……)

アンズとのデュエルは想定外だった。
彼女自身カードを使うことなどないはずだから、対戦自体もちろん初めてだ。
洗脳されているとはいえ、全く戦略が読めない。


「ビッグシールドガードナー! 守備表示」

遊戯はとりあえず守備力3000の壁モンスターで様子を見ることにした。

「賢明というより臆病者ね。私のパートナーはこれよ」

「なにっ!?」



アンズが召還したのは真っ赤な髪と切れ長の瞳をもつ女戦士だった。
遊戯も初めて見るモンスターだったが、独特の美しさを持つ顔立ち。
細身の剣と皮の鎧という軽装だが、その刀身には炎が絡まり強そうな雰囲気。

「切り裂いて、ライム!」

アンズの命令にコクリと頷く女戦士。
細身の剣を一度だけヒュンッとなぎ払うと炎の勢いが増した!
ライムと呼ばれた女戦士はためらうことなく遊戯の壁モンスターに歩み寄る。

(返り討ちになるとわかっているのになぜ!?)

遊戯のほうからも女戦士の情報は見える。
攻撃力は1600と表示されている。
特殊能力の部分は伏せられている。
それだけが不気味だ。

「えいっ!!」

遊戯のモンスターの手前で立ち止まったライムは、剣を両手持ちに変えて鋭い斬撃放つ。
その動作はまるでモンスターを一刀両断する勢いだった。

(なんだ!?)

しかし遊戯のモンスターは無事だ。
ライムの表情にも変化はない。

「言い忘れたけど、そのライムの能力……プレイヤーへのダイレクトアタックなの」

「な、なに!?」

アンズが不敵に笑いながらそういった瞬間、遊戯の体に衝撃が走った!

「ぐわあああああああ!!」

「フフッ」

紅の女戦士・ライムの能力。
それはプレイヤーへのダイレクトアタック。
ただし、攻撃条件は相手のフィールドにモンスターがいることと、そのモンスターの守備力がライムの攻撃力を上回っていること。
二つの条件がそろわなければ攻撃は成功しない。

「1400のライフダメージだと!?」

ライムの放った炎の斬撃を受けた遊戯がうめいた。
相手へのダメージ数値は、壁モンスターの守備力とライムの攻撃力の差。
つまり守備力の高い壁モンスターを出したことが遊戯に災いしたのだ。

周囲の炎が落ち着くと、クスクスと笑いながらライムは消えてしまった!


「素敵なモンスターだけど一度しか使えないのよね」

「なんて攻撃的なカードデッキを持っているんだ」

アンズの凶悪な攻撃を受けて、遊戯が本気になった!


「もう手加減しないぜ! アンズ」

「それは楽しみね」

「今度はこっちから行くぜ!!」

遊戯は自分のターンで2体のモンスターを召還、守備表示。
次のターンでそれらを生贄にするつもりだ。

「俺のターンエンド」

対するアンズは3体のモンスターを守備表示。
そして伏せカードを2枚……

「私のターンエンド」

アンズのターン終了宣告と共に、遊戯はニヤリと笑った。

「よし! ブラックマジシャンを召還だ!!」

場に出ているモンスターと引き換えに現れたのは最強の魔術師。
彼の手札の中でもお気に入りのパートナーだった。

さらに3枚の伏せカードをして、遊戯はターンを終える。


「じゃあ私はブラックマジシャンガールを出すわね」

「な、なにっ!?」

驚きを隠せない遊戯。
なぜならブラックマジシャンガールはカードレベルこそ低いもののレアカードなのだ。

「もちろんコピーよ」

「貴様……!」

遊戯はアンズの背後で糸を引いている悪の組織を憎んだ。
カードは彼にとって魂と同じなのだ。
魂に複製は認められない!!


「でもコピーがオリジナルに劣るとは限らない」

「勝手なことを言うな! 敵を攻撃しろ、ブラックマジシャン!!」

遊戯の指令に忠実に従う黒魔術師。
その杖に黒い波動が集中する!

「あら、マジシャンガールの特殊能力が発動するみたいよ?」

だが攻撃が放たれる寸前、アンズの横に控えているマジシャンガールが飛び出した!


「お師匠様、イヤ♪」

「!!」

少し恥ずかしそうな顔でブラックマジシャンに向かって少しだけミニスカートを持ち上げるマジシャンガール。
ほっそりした太ももとスカートの奥に覗いた可愛らしい下着を見て、遊戯も恥ずかしくなってしまった。
そのせいで杖から放たれた攻撃がアンズの脇をすり抜けて数メートル先で爆発した!

「ば、ばかな……」

「ランダムで攻撃をそらすのよ、この娘」

「卑怯だぞ、ダークセメタリーめ」

歯を食いしばって屈辱に耐える遊戯。
デュエリストにとって攻撃があたらないほど悔しいことはない。
ましてコピーされたカードなどに……!!


「次は私のターンね。魔法カードを使うわ」

アンズは伏せてあったカードをオープンした!
それは遊戯の見たこともない絵柄……

「魔法カード『裸の王様』発動!」

その掛け声と共に、マジシャンガールが遊戯に軽くウインクした。
さらに彼女の小さな杖からもピンク色の波動がほとばしる!

「リバースオープン!」

遊戯は慌てて自分の伏せカード、『魔法効果無効』の使用を宣言した。
しかしカードが開かない!?

「フフッ、このカードは相手にダメージを与えない。だから回避不可能なのよ」

「そんな!」

「ほら、自分の体を見て御覧なさい?」

アンズに促されて自分を見る遊戯。
なんといつのまにか衣類が脱がされている!?

「う、うわああああ!!」

「はっずかしい〜〜〜〜、クスクス」

実際にはカードが作り出したホログラム。
肌色の服を着せられているような視覚効果。
遊戯は服を脱いでいるわけではない。

しかし遊戯が恥ずかしがっているところにアンズは追加攻撃を宣言した。

「もう一枚カードを使うわ。魔法カードオープン!」

アンズがめくったカードは特殊魔法カード『美少女の誘惑』だった。
このカードの効力はフィールドに女性モンスターがいた場合だけ有効だ。
そして敵プレイヤーが男性だった場合……

「ご主人様ぁ〜〜〜♪」

魔法効果のせいで、ブラックマジシャンガールが遊戯の体にまとわりついてきた!

「や、やめろ! マジシャンガール!!」

女性キャラにとりつかれた相手プレイヤーは2ターンの間身動きが取れなくなる。
それがこのカードの重要な効力。

(マジシャンガールがこんなに近くにくるなんて!!)

ブラックマジシャンガールは遊戯にとっても大事な仲間。
マジシャンズの歴史を知れば知るほど頼りになるカードなのだ。
今までだって彼女に何度助けられたことか……

「ご主人様の体、あたしが触ってあげるね」

いつも背中しか見ることのできないマジシャンガールがこちらを向いて
いたずらっぽく微笑んでる!
それだけで遊戯は無条件で興奮してしまった。

「スベスベしてるぅ……ヌルヌルの魔法かけていい?」

ツツツーっと遊戯の体に指を這わせるマジシャンガール。
もちろん直接的な刺激はないが、むしろその分だけ官能的だ……

「体中をスライムみたいにしちゃう!」

マジシャンガールの指先が少し光って、トロトロした粘液が流れ出す。
それは遊戯の肩から背中、胸のほうへとゆっくりと流れを作る。

(エ、エロい……なんだこれは!?)

宙に浮いたままのマジシャンガールに体を触られる。
可愛らしい顔がじっと見つめたままで言葉責めしてくる!!

「ほら、ヌルヌル〜〜〜♪」

実際にはヌルヌルしていないのに、確実に遊戯の頭の中は粘液で犯され始めていた。

「ふふっ、こらえきれないでしょー?」

次第に息を弾ませる遊戯を見ながら囁くマジシャンガール。
ふわふわと宙に浮いたまま彼の背後に回って右肩にあごを乗せる。
脇の下から右腕を通して、ヌルヌルした手のひらを遊戯に見せ付ける!

「ちゃんと触って欲しい?」

マジシャンガールが手を開いたり閉じたりすると、ちゃんとクチャクチャという音がする。
へんなところがリアルな特殊魔法効果に、遊戯の理性は徐々に薄れていく。

「ご主人様の大事なところ、ヌルヌルクチュクチュにしてほしいよねー?」

背後にいたマジシャンガールが遊戯の体をすり抜けて正面に回った。
そしてクルっと振り向いて、彼の両肩に手を置いた!

(あっ、すごい……このまま出したい!!)

彼女の顔を見ながら、遊戯の股間は切なく震えだした。
このままペニスを扱かれたらおそらく一瞬で昇天できる……でも……

「じゃあ想像して。あたしがこうやってクニュクニュしちゃうからぁ」

相手は虚像。触ってもらうことはできない。
そのもどかしさだけでも彼は気が変になりそうだった。

「ほらぁ、自分で触って〜〜」

可愛らしい声に誘われるがままに自らの股間に手を伸ばす。

(触ったら負けだ……だめだ!)

だが自分の頭の中で繰り返される葛藤。
キュッと目を瞑り、美少女の誘惑に耐える遊戯。

「じゃあこういうのは?」


画像:ノリスさん


それを打ち崩すように、マジシャンガールは彼の股間に顔を沈めた!

「そ、まさか、フェラ……あぁぁ!!!」

ゆっくりと前後する魔法娘の顔。
淫らな視覚効果だけでも遊戯に充分なダメージを与えていた。

(も、もう自分でやるしか!!)

残念なことにくるべきはずの刺激がこない。
さらに彼女は右手を亀頭の真上に置いて、上目遣いで微笑んできた!!

「あんっ、あたしと手を重ねて……ご主人様、すごいエッチ♪」

もはや無意識でマジシャンガールのいうがままだった。
遊戯はうつろな目でスベスベの彼女の手を見つめている。

「ほら、イって! イって! イッてー!!」

彼女の声にあわせるように自らペニスを扱く。
ただそれだけなのに、遊戯は異常な興奮で満たされてしまった。

「ぐああああああああああ!!!」

何度か大きく痙攣したあと、遊戯は目の前が真っ白になった。

「ふふっ、気持ちよかった?」

ガクッと膝から崩れ落ちる。
危うく前のめりになりそうな自分の体を支えるのがやっとだった。

そんな彼を優しく見つめながら、マジシャンガールはそっと耳元で囁いた。


「そろそろ解放してあげるネ?」

ようやく時間切れだ。

遊戯の体を犯すビジョン。マジシャンガールは霧のように消えていった。

しかし、徹底的に誘惑された闇の遊戯はガックリと地面に手をついた。

「男性にとっては天国のようなカードでしょ?」

「はぁっ、はぁ……」

「でもこれも一回しか使えないのよ。残念だね、遊戯」

アンズの特殊魔法カードの効果が切れた。

その瞬間、闇の遊戯の人格は沈黙した。


「あ、ああっ! もう一人のボクが……」

深刻な精神的打撃を受けた古代の王は気を失うしかなかった。

がっくりと膝をついて息を切らせているのは表の人格の遊戯だった。



「今の攻撃、少しは効いたみたいね?」

アンズは余裕の表情で遊戯を見下していた。
ゲームはまだ始まったばかりだ。







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