2・体の拘束を解いての挿入で勝負
「おまえを挿入勝負で感じさせてやる!……覚悟しろよ、沙織」
忍耐力には自信があるのでこちらの勝負を選んだ。
しかも相手の姦計にかかったとはいえ一度吐き出させられている。
そう簡単に連続で射精することはない。
「じゃあそろそろ手足を自由にしてあげようかしら……」
そう言ったあとに沙織の口元が淫らに歪んだ気がする。
沙織は忍服の腰紐を緩め、薄い腰布一枚と胸元を隠すさらしを残して衣類を脱ぎ去った。
鍛え上げた筋肉をうっすらと脂肪で覆っただけの逞しい肉体、とでも言えばいいのだろうか。
彼女の体には無駄なところはなく、女性的な美しさとしなやかさを兼ね備えているのだ。
また、局部をさらしていないことで手足の美しさが際立って見える。
「いきなり裸よりもこういう姿のほうが感じちゃうでしょ?」
不覚にも沙織の裸体と言葉に俺の股間が熱くなる……
沙織は白く輝く体を見せつけながら俺に擦り寄ってきた。
おれはまだ手足が動かせない。
「俺を拘束してないと勝てないのか……くのいちもたいしたこと無いんだなっ」
俺の言葉など特に意に介せずといった風に沙織はおれの首に腕を伸ばした。
「そんな減らず口が、しばらくすると聞けなくなると思うと寂しいわね……」
沙織の小さな唇が俺の口をふさぎ、熱いと息を送り込んでくる。
(あああ……)
しばらくの間、俺はその甘い感触に酔わされた。
「気に入ってくれた? 私の舌使い。こうやって唇を重ねながら、あなたの体中を撫で回してあげる……」
沙織は妖しい手つきで俺の背中や腰、くびれているところ全体を優しく愛撫していった。
「あああぁっ……」
その甘い手つきに思わず声が出てしまう俺。
沙織は俺の声に満足そうな表情をしている。
今度は軽く俺に抱きつきながら手の平全体で強めに筋肉を揉み解してくる。
触れられた場所が熱を帯びてくる……
「もう手足の拘束は外してあげてるんだよ? 私のことを触ってもいいのに……」
沙織の言うとおり俺の手足の拘束はすでに解かれていた。
しかし沙織の甘い性技を受け続けていた俺はそのことに気づかなかった。
「気づかなかったのかしら。それとも、もう……フフッ」
沙織に反撃しようにも指先の回復が間に合わない。
うまく力が入らないのだ……。
「ほらほら、反撃しないと前技だけでイかせちゃうぞ?……」
(くそっ、完全に見下しやがって……!)
俺は右手に力を込めて、沙織を強く引き寄せた!
「はァん! 強引ね」
力の加減がうまく出来ずに一気に密着してしまった。
形の良い沙織の乳房が俺の胸板で押しつぶされる。
それと同時に沙織の腹に、そそり立った俺の肉棒が……
(……こんなの、こらえてやる……ん……あああぁぁ!!!)
俺に抱き寄せられた沙織が腰を左右に振りながら微妙な振動を俺に伝えてくる。
それがまた何ともいえない快感を引き起こしてくる。
「自分で引き寄せておいて勝手に感じちゃって……恥ずかしいね」
沙織の指が俺のあごを引き寄せ、強引に唇を奪う。
彼女の舌が俺の口内に侵入して、俺の舌を包み込む。
そして時折強く巻きついて引っ張られたり、舌の付け根をくすぐられたり……奴の好きなように嬲られてしまう。
俺は応戦することも出来ず、ひたすら耐えることに集中した。
沙織の口付けはとても長く続いた。
「ん……あふっ、あぅ……な……な……!!」
口元が脱力した俺を一瞬だけ解放した沙織が、腰布とさらしを素早く脱ぎ去って今度は正面から抱きついてきた!
「これでしばらく口元に力が入らないわね。 つまり、うまく我慢できないってことよ♪」
沙織の美脚がすうっと開いて、屹立したおれ自身をふんわりと柔らかく包み込む。
「そろそろイかせてあげる。その前に……」
沙織は体を密着させたまま、両足を微妙に前後させて俺自身を内腿で締め付ける。
(これはっ! さ、さっきの右京がやってた技……!!)
俺の脊髄に、忘れかけていた刺激が蘇る。
危険な快感に俺が体を硬直させたのを察知した沙織が笑う。
「あなたの感じるところを最高に硬くさせてあげる」
沙織は少し背伸びをして、自分の膣口に俺の亀頭をぴったりとくっつけた!
決して挿入させるわけではなく、あくまでも亀頭だけを愛撫するために。
そしてそのまま棹の部分だけを太ももでじわじわと刺激する。
ぬるぬるとした膣口の怪しい感触と、素股の奥義である「羽衣締め」の合わせ技……
俺は腰を震えさせて必死で抵抗した。
しかし、彼女が動いている速度の数倍の速さで俺の体に桃色の誘惑が広がっていく!
「もう射精したくてたまらないでしょ……恥ずかしいねぇ? 私の中に入れるまで我慢できる?」
沙織はそういいながら、意地悪に膣口を亀頭の先端とくっつけたり離したりを繰り返す!
ふたりの股間からぬるぬるとした液体が淫らに糸を引いている。
しかしそれは俺自身が吐き出している快楽の証。
(ま、まだ入れてないのに……うああっ!!)
「ほら、もっと頑張らないと男の子失格だよ?」
沙織が少し腰を浮かして、今度は裏筋部分にちゅっ、ちゅっ……と膣口で接吻をする。
「お、おのれっ……望みどおり挿入してやるよっ!!!」
沙織の挑発に逆上した俺は、一気に沙織を刺し貫く。
ぐぷっ、くちゅううっ!!!
「ああああああああっ!!!」
挿入の瞬間、沙織の腰が軽く捻られる。
悲鳴を上げたのは俺のほうだった。
「ふふっ、やっと入れてくれたね……いっぱい感じさせてよね?」
余裕たっぷりで微笑む沙織。
反対に俺はというと、想像以上の沙織の膣内の感触のよさに戸惑いを隠せなかった。
(こ、ここまで気持ち……いいと……)
いつまでも入れていたい感覚……沙織の内部について一言で言うとそれだ。
無数の襞のようなものが俺の感じる部分に擦りあわされ、自分から激しく動くことも出来ない。
沙織は挿入直後であるにもかかわらず、細かく震えている俺の肉棒を感じながら楽しそうに笑っている。
軽い骨抜き状態となった俺を抱きしめると耳元で囁いてきた。
「しばらくの間、私のことを好きにせめていいよ。右京、砂時計を用意して!」
おれに抱きついたまま沙織の責めが中断される。
そして闇の中から右京の姿が……
「……ご用意いたします、沙織様」
影である右京は、沙織に言われるまま大きな砂時計をどこからか持ってきた。
そして俺に見えやすいところに置いた。
砂が全て下に落ちるまでにはかなりの時間が必要だと思われる…………
「舐めやがって……今に見ていろ!」
おれは沙織への敵意をむき出しにして快感に抗うことにした。しかし体のほうは……なかなか言うことを聞かない。
しばらくの間、おれはゆっくりと沙織の膣に挿入を繰り返した。
沙織を責めているのは俺のはず……なのに俺は自分の誇りが少しずつ削られていくのを感じていた。
おれの肉棒は沙織の柔肉に揉まれ、挟まれ、歓喜の声をあげている。
とめどなく精液を垂れ流し、下半身が言うことを聞かなくなるまで搾られることをどこかで望んでいるような……
「ねえ、なんだか腰の動きが鈍くなってきてるよ? 右京、左京……ちょっと手伝ってあげなさい」
にやにやと笑いながら沙織が影二人を呼び出す。
右京と左京は薄笑いを浮かべたまま俺の背後に張り付き、無理やり沙織の膣内に肉棒を押し込む!
「え、ちょ……ま、まてっ!……あああああぁぁぁ!!!」
突然俺に襲い掛かる魔性の快感。一気に肉棒に絡みつく感触が増大する。
沙織の膣内への挿入をこんな速さで行えば、俺自身に全ての快感が降りかかってしまう!!
「もっと沙織様を感じさせてあげてくださいね?」
右京は俺の腰の動きを手伝いながら、玉袋をくにゅくにゅと揉みしだいている。
そのせいでますます俺は高められてしまう。
「ははっ、どうしたんだい? 腰が震えてるぞ? 沙織様はぜんぜん動いていないのにだらしない奴だなぁ……」
左京の言葉のとおりだ。
沙織は実際に全く動いていない。俺が一方的に……責めているはずなのに……
「もうすぐ砂が全部下に落ちてしまいそうよ?」
余裕の表情の沙織。
うっすらと頬を桃色に染めているが、明らかに俺の顔色のほうが沙織よりも快感の色に染まっているだろう。
沙織の言葉に驚いて、俺は砂時計を見る。
彼女の言うとおりだった……砂が落ちきってしまえば、沙織の反撃がやってくる。
沙織は俺の顔を覗き込みながら、快楽に惚けつつある俺の意志を確認していた。
俺の中で芽生えた、「このまま快感に身を委ねたい」……という気持ちが、脱出の意思を鈍らせる。
仮に今ここで解放されたとしても、ここまでたっぷり精力を削られた後では……
だんだん目の前が暗くなってゆく。
度重なる強制的な射精のせいで頭が痛い。
あまりの疲労感に指先すら動かせない。
俺の意識はそこで途切れた。
先へ
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