「なんていうか……すごいね」
お店の中に入ると、季節柄なのかクリスマス一色だった。
伝統の人形屋さんもこのあたりは柔軟に対応しているのかな。
ミニスカサンタっぽい人形や、トナカイ風の人形、それに来年の干支のようなコスプレ人形もある。
「いらっしゃいませ、お客様」
物珍しそうにクリスマスBF人形を眺めていると、一人の女の子が声をかけてきた。
その言葉からしてもちろん店員さんなのだが、その可愛さに思わず見とれてしまった。
「お楽しみいただけてますか?」
少し首をかしげてニッコリする様子も可愛らしい。
遠めで見てもわかるほどフワフワした感じの髪質。
金色の艶やかな髪をツインテールにして青いリボンで結んでいる。
舞ちゃんと同じ位の背丈だが、この子のほうが少し細い。
だからといってガリガリというわけでもなく、ほっそりしていて思わず抱きしめたくなる体型だ。
前から思っていたのだが、このお店にはちっちゃい子が多い。
店長さんの趣味なのかな?
「あ、はい……」
ふと我に帰って彼女を胸元を見る。
ネームプレートには「ちはる♪」と書かれている。
「はじめまして、このイベントフロアの担当をしてます美吉野千春(みよしのちはる)と申します」
「そうですか。可愛らしい人形たちですね!」
千春ちゃんに向かって言葉を返す僕。
この子も人形みたいに可愛いな……それも西洋風の人形というか……
「まあ! そんな……可愛らしいだなんて!!」
頬をポッと染めて喜ぶ千春ちゃん。
何か重大な勘違いしているようだ。
「でも珍しいです。男性の方がこの時間帯にお一人でご来店だなんて」
「あっ、そうですよね。実は待ち合わせなんです」
「お店の誰かとですか……?」
僕は舞ちゃんのことを話した。
もしかしたらこの千春ちゃんは彼女の同期かもしれない。
案の定、舞ちゃんの名前を出した途端に彼女の目が輝いた。
「も、もしかしてお兄さんが舞の彼氏さんですか!!!」
「ま、まあそうだけど……」
「あらやだ、すみません。お客様に対しておにいさんだなんて……」
ペコリとお辞儀をする千春ちゃん。
別にお兄さんでもいいんだけどな……
「気にしないよ、千春ちゃん」
「うふふっ、じゃあ『おにいさん』って呼んじゃいますね?」
「ああ、いいよ」
【つぎへ】
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