苦戦
もう何往復しただろう?
メーティスはパイプに跨がったままぐったりしていた。
蜘蛛はメーティスをパイプから降ろした。
そしてメーティスの両足首を掴んで高々と持ち上げた。
韓信に見せ付けるようにメーティスの両足を大きく広げた。韓信は熱心に見ていた。
蜘蛛はメーティスを床に放り投げその上に馬乗りになった。
メーティスの顔面にパンチを打ち込もうとした時、韓信が小さな声で注意した。
「出来れば顔は殴らないでいただきたい」
蜘蛛に隙が出来た。
その瞬間、メーティスが胸を揺らしながら、ふらっと起き上がり、
蜘蛛のテンプルに強烈なパンチを食らわせた。
蜘蛛は後方に吹っ飛んだ。
よろよろと立ち上がる蜘蛛の背後にメーティスが回り込み、
垂直落下式バックドロップ!
蜘蛛は大の字になって失神した。
目を覚ました蜘蛛に韓信が冷たく言い放った。
「勝負はついた。介錯してやるから、そこに座りな。」
蜘蛛はがっくりうなだれたその時、シータがやっと目を開けた。
(このままでは私はずっと留守番だ。二人と行動を共にしよう。
捕まって拷問を受ける事もあるかもしれない。
でも、私にはドリー軍曹直伝の拷問特訓の経験がある!)
「その役目、私にやらせて下さい!」
シータは韓信から長い刀を受け取ると、一撃で蜘蛛の首をはねた。
座して滅びを待つより、 いでて活路を求めん