「熱い!熱いのぉ!!」
ピノの脇でシャルが泣きながら感じ続けていた。
冷気と熱気の関係と同じで、体にもあるレベル以上になると痛みと快感の区別がつかなくなる。
「このままじゃ苦しいだろうから」
ウィルはライムの無事を確認した後、シャルに近づいて背中やお尻を撫で回した。
首筋だけに集中していた冷気は彼女の体を凍傷の直前まで追い込んでしまったが、全身に冷気を拡散させることで永続的な快感に換えることができた。
さっきとは違い甘い声で喘ぎ始めるシャルを見たピノは両手を挙げて降参の意思を示した。
どうやら相手が悪い…ピノは一瞬で自分たちの負けを理解した。
再び倒れているライムの元に戻り、彼女の上半身を抱きかかえるウィル。
「キミ、そこの彼女を連れて帰ってくれないか?」
ウィルはライムを抱きしめながらピノに向かって言った。
その口調には憎しみも怒りもなかった。
(不思議な人…)
ピノはこくりと頷いてその言葉に従った。
二人の淫魔が去ったあと、ウィルはライムに治癒の魔法をかけ続けた。
しばらくして身動きができるようになったライムは素直に今日の出来事をウィルに伝えた。
ウィルは黙って聞いていたが、ライムには彼の優しさが痛かった。
「ごめんなさい…」
ショボンと頭を垂れるライム。彼女の心から出たあやまりの言葉。
ウィルは大きな手のひらをライムの頭にポンポンとのせて言った。
「バカだな、ライム…」
その笑顔はいつもと同じでとても優しかった。
それから2週間ほどたった。
とても良い天気だったのでライムとウィルは海に出かけた。
スライム退治にではなく、休暇としての外出は久しぶりだった。
「気持ちいい天気だね」
海辺に着くとライムは水着に着替えた。
裸の彼女も良いけど、やはりこういった季節にぴったりの服装も似合う。
ライムは浜辺にしゃがみこんで何かを拾い始めた。
熱心に砂をいじる彼女の脇を小蟹が横切った。
「これあげるわ。」
ウィルに向けてライムは小さなものを無造作に放り投げた。
あわてて受け取った彼の手のひらの中に小さな貝殻が現れた。
虹の光を凝縮したようにとても綺麗な色だった。
「この間はあたしのためにがんばってくれたでしょ? だから…ご褒美」
ライムは自分の言葉に少し照れながらにっこりと微笑んだ。
自分の目の前には、レベッカと同じくらい自分を大事にしてくれるすばらしい人がいる。
この人とずっと一緒にいたい…ライムはウィルのことを本気で好きになりかけていた。
「きれいだね。ライムと同じくらいこの貝殻を大事にするよ。」
こっそり頬を紅潮させているライムを、ウィルは優しく抱きしめた。
END
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