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幾度も繰り返される優しい愛撫に完敗した俺は、うっとりとした表情で奈緒を見上げていた。
そこには以前とは違う「女」の顔をした彼女が満足そうに俺を見つめていた。






「タカヒロの気持ち良さそうな顔って、かーわいい♪」

その笑顔はいつもの奈緒に間違いなかったが、俺の中では確実に何かが変わっていた。
こいつとまたエッチしたい・・・年下の奈緒に弄ばれたい・・・・・・
今度はこいつの中に挿入したい・・・そんな思いがどんどん膨れ上がってくる。

「あー!エッチな目、してるぅ!!」

奈緒の言葉にハッとなる。
いかんいかん、ここはひとつ年上らしく振舞おう。
俺は咳払いをひとつすると、正面から奈緒に向かってこう言った。

「奈緒、入学おめでとう。この春から少しお姉さんになるな。これからもよろしくね。」

俺はいい忘れていた言葉を奈緒に告げた。
この先きっとこいつは俺よりも好きな男が出来る。その方が自然だし、それでいいと思う。
でも今だけはお前のことが好きだ。お前だけの俺でありたい。
俺との関係が永遠に続くとは思えないけど、これからもいい関係でいたいと思う。
そんな気持ちを込めた言葉だった。

「じゃあ入学のお祝いしてよ、タカヒロ」

「あ、ああ・・・いいよ。何が欲しい?」

「やったぁ!ずっと欲しかったものがあるの・・・」

確かに俺からもお祝いしてやってもいいよな。
奈緒が欲しがるものがあるなら、できるだけ何とかしてやろうと思った。

「じゃあ遠慮なく・・・えいっ!」

「おわああぁっ!!」

突然、奈緒がピョンっと抱きついてきて俺の首に腕を回してきた!
柔らかい髪と甘い少女の香りに包まれる。




「タカヒロ、あのね・・・・・・私の彼氏になって!」

な、奈緒がずっと欲しいものって・・・俺!?

「おい、奈緒・・・お前・・・・・・!?」

「あっ・・・あたしみたいな子供じゃダメかな?
 でも私、がんばるよ!タカヒロに似合うような素敵な彼女になるから・・・お願いよぉ・・・」

抱きつきながら消えそうな小さな声で告白する奈緒。
その細い肩はかすかに震えていた。
俺は返事をする代わりに奈緒を思いっきり抱きしめた。

「とんでもなく贅沢なお願いだな?」

「えへへっ・・・・・・でも、他に欲しいものなんて思い浮かばないよ!」

奈緒は俺にぴったり抱きついたまま離れようとしない。

ぐいっ!!

「あんっ・・・」

俺は首の後ろに回された腕をそっと振りほどいた。
再び俺と向かい合わせになった奈緒は、頬を赤く染めたまま視線を合わさない。

「あのな、告白って言うのは・・・普通、男からするもんだろ?」

「えっ?」

「俺もお前のこと好きだよ。そう、ずっと前から。」

嘘でも思いつきでもない。俺は素直に心の内側を奈緒にさらした。
いつでも俺の後ろをついてきた可愛いお隣さん。でもそれだけじゃない。

「ホント!? 奈緒でいいの!?」

「ああ。今日からお前は俺の彼女だ。よろしくな、奈緒。」

「ずっ、ずっとだよ!ずっと好きでいてくれなきゃ嫌だよ!それと浮気も嫌だよっ?」

約束する。幸せにしてやる ―― 少なくとも俺がお前のそばにいる限りは ――
俺は真っ赤になった奈緒のほほに手を添え、唇を重ねた。


しばらくの間、俺も奈緒も呼吸が整わなかった。
お互いに好きな相手に告白した直後だから普通じゃないのが当然だろう。
心臓がバクバクいってる。俺の音なのか彼女の音なのかわからない。
でも俺たちは今、間違いなく心を重ねている。






「好き・・・大好きなの、タカヒロ。 私のこと、しっかりつかまえてて!」

「ああ、任せとけ」

長いキスのあと、うれしそうに奈緒は微笑んだ。
ずっとそばにいて気づいてやれなかった幼馴染の想い・・・・・・

腕の中で幸せそうにしている彼女を俺はもう一度強く抱きしめた。




おしまい♪

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