某スレ
216 :名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火)
13:35:22 ID:RRrv8+u4
幼なじみの女子と小学生の頃から柔道を習っているが、
毎回ボロ負けしていた主人公男。
負けたままでは余りに悔しいので、
学区の都合で中学が別れたのを期に道場をやめ、
中学の柔道部で死に物狂いで鍛練し、
大会でも良い成績を取り自信を取り戻す。
同じ高校に合格し再会すると、幼なじみ女はすでに道場をやめており、
部活もテニスやバスケなど柔道と無関係なものに入り、
髪型に気を使い、薄くメイクするなど普通の女子高生になっていた。
「これは再戦するまでもないな」と優越感に浸る主人公男。
しかし、幼なじみ女の方から
「久しぶりだね!また手合わせしてみる?」
と言ってきたので試合することに。
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上記シチュに萌えた私が匿名で投稿したのが下記のSSです
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「久しぶりだね! また手合わせしてみる?」
昼休みにサラサラの髪を揺らしながら幼馴染の理奈が微笑みかけてきた。
久しぶりに出会った理奈をみて女らしくなったと感じた。
理奈と俺は幼い頃から同じ道場に通っていた。
情けないことに俺は理奈と組み手をして勝ったことがない。
もはやこいつと手合わせすることなんてないだろうと思っていた。
かつての俺は理奈に負け続けていた悔しさをばねに全国大会レベルまで鍛錬した。
ある意味、今の自分があるのは理奈のおかげかもしれない。
それからの話の成り行きで人がいなくなった柔道場で俺は理奈と対峙していた。
「ねぇ、悪いんだけど稽古着貸してくれない? あたしもう柔道やってないからさ。」
理奈には男子用で一番小さいサイズの胴着を貸してやることにした。
久しぶりのせいなのか帯の締め方が緩い気がする。
背丈もそれほど変わらなかった小学生のときならまだしも、今の俺と理奈との身長差は20cm以上ある。
しかも俺は一昨年の柔道選手権で全国三位になった。
そのおかげでこの学校に推薦入学できたわけだ。
あいつから言い出してきたことではあるが、やはり男として気が退ける。
「じゃあ始めよっか!」
長くなった髪をゴムで一つにまとめた理奈は
俺に向かって軽く礼をすると軽快なステップを踏み始めた。
身軽なところは以前と変わってないようだ。
しかし今の俺の前では・・・
「えいっ!!!」
気がつくと俺は天井を見つめていた。
呼吸もろくにできずに時間が止まっているかのような錯覚に陥る。
俺の体には投げられた痛みすらないのだ。
いや、痛みが腰の辺りからジンジンと湧き上がってきた!
「ぐううぅっ・・・」
ろくに受身も取らせてもらえないまま投げ飛ばされた。
足元で悶絶する俺を見下ろしながらあいつが言う。
「久しぶりなのになんだかいい感じじゃない? あたし♪」
コロコロと笑う理奈を見て、俺の中で何かが弾けた。
もはや痛みなんか気にしている場合じゃない。
俺は痛みを無視して立ち上がると正面の「敵」を睨みつけた。
今の一撃で小学生のときのことを思い出した。
「おのれ・・・」
深呼吸を一つする。
もはや俺の中に油断はない。
体格差も、男女の違いも関係ない。
今はただこいつを倒すだけ!
しかし・・・
スパァーン!!
人気のない柔道場に、畳がきしむ音が何度もこだまする。
理奈に投げ飛ばされた俺は必死になって受身を取っていた。
しかし理奈は俺が受身を取れる程度に技のキレを手加減をしていたのだ。
柔よく剛を制す
自分よりはるかに背丈の大きい相手(=俺)を投げ飛ばしているのは、
どこにでもいるような可憐な女子高生だった。
一つに束ねた髪がふんわりと揺れ、うっすらと汗ばんだ表情がなんとも美しい。
「いい感じで体があったかくなってきたよ! やっぱり柔道はいいもんだね〜」
理奈は俺を投げ飛ばし間髪いれずに引き起こす。
決して筋肉質の女性ではない彼女に無理やり起こされ、投げのダメージを抜く間も与えられずにフラフラの腰つきで立たされる。
(今度こそっ!!)
俺の目はまだ敵意の光を失っていなかった。
理奈をなんとしても投げ返すという気迫だけは強く発していた。
そう・・・気迫だけは・・・・・・
震える両腕に力を入れてファイティングポーズを取る。
握力はすでにゼロにひとしいがここで負けを認める気はない。
しかしそんな俺の気力も、理奈の前には無意味だった。
「久しぶりだけどあなたの動きって、わかりやすいね。 ほらっ!」
力を振り絞って奥襟をつかもうとする俺の手を軽く払いのけ、すばやく懐に入る。
ああ、もう何度目だろう・・・またもや軽く絶望する。
先ほどはこの後右腕を釣られた後に一本背負いを食らったのだ。
「ほらほら、内股がおろそかになっているわよ。」
細い足に左足を払われバランスを崩す。
さらに深く理奈の体が俺に密着する。
「うがあぁぁっ!!」
「ふふふ、また一本だね! でも有効でいいや。このままじゃつまらないし。」
今回はそのまま体落し。
理奈の肩と肘が俺の筋肉にめり込む。
「あたしもいいかげん投げるのにも飽きたから、ここからは寝技で責めてあげる。」
「はいどーぞ♪」
理奈はそう言うと、肩で息をする俺の横にころんと大の字になった。
「どうしたの? あなたがあたしを押さえ込むところからやらせてあげるからさ。」
その言葉に俺の頭はカーッと熱くなる。
ふざけやがって・・・どこまでおれを馬鹿にすれば気が済むんだ!
「ふふっ、なぁに? その目。それとも、あたしに押さえ込まれたいのかな?」
いたずらっぽく挑戦的な言葉と視線を投げかける理奈に、俺は恥も外聞もなく襲い掛かる。
完璧な横四方固め。
左腕は理奈の細い首を抱え込んだ上で襟とともに締め付け、右腕は股の間から太ももを捕らえて締め付ける。
俺はなりふりかまわずグイグイと細い体を締め付ける。
「くっ、さすがにキツイわね・・・!」
当たり前だ。
俺が全国大会で何度も一本勝ちした寝技の得意技だ。
こうなってしまった以上、相手は簡単には身動きできない。
おれはさらに理奈の体を強烈に締め付け、ギリギリと音がするくらい両腕を華奢な体に食い込ませた。
「そろそろ反撃してもいいかな・・・」
グググッ・・・と、俺の腕の中であいつの体が一瞬だけ小さくなったように感じた。
「やあっ!!!」
まるで猫科の猛獣が全身をバネと化して跳躍するように。
理奈は全身に力をみなぎらせ、俺の押さえ込みの力をはるかに上回る威力で両腕の拘束を弾き飛ばした。
「なっ!!!!」
ありえない。
俺の横四方はそんなに安くない。
理奈は肩が凝ったとでも言いたげな様子で、首を軽く左右に振っている。
「なかなかいい押さえだったけど、やっぱりこんなモンかぁ・・・」
しかし俺のほうはそれどころではなかった。
両腕に全く力が入らない!
得意技を破られ、やつに押さえ込みをあっさりと解かれただけでなく両腕まで脱力させられてしまった。
「じゃあ今度は私からいくね! 覚悟してね?」
つづく
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