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律の部屋。
都合のいいことに家の中は律と澪の二人きり。
弟も両親も夜まで帰ってこないはず。

シャー……

律は部屋に入ると、真っ先にカーテンを閉めて部屋を薄暗くした。

「おいで、澪。いっぱい優しくしてあげる」

「ぅん……」

遠慮がちに律のベッドに腰を下ろす澪。
制服姿のまま、律は背後から澪を抱きしめた。

もにゅっ

「きゃああぁっ!」

「うっはー、澪の胸はデカいなぁ」

「り、律! 恥ずかしいだろ! んんっ〜〜〜!!」

抗議しようとして振り返った澪の唇を強引に奪う律。

「んふふー♪」

ピチャピチャと舌先を絡めながら、律は手際よく澪の上着を脱がす。

「恥ずかしいくらいデカいなー、うりうりうり」

「あ、ああああぁぁ!!」

ブラウスの上からの愛撫にたまらず声を上げる澪。
律はボタンとボタンの隙間に左手を滑り込ませる。

「澪の乳首……発見」

「ひゃうううう!!!」

「それに感じやすいし、男ならたまらない形なんだろうな〜」

むにゅ、ふにゅっ!


「こうやると気持ちいいんだっけ?」

手のひらで収まりきれないほどの澪のバストを転がすように愛撫を重ねる律。

こりこりこりっ♪

「はうっ」

「すごい声だしてるねぇ……もっといじっちゃお」

「そこばかりいじるの禁止! はあぁぁ!!」

「そこばかりいじってほしいんですね、澪しゃん」

あっという間に澪は上半身を裸にされていた。
律はブラウスのままだ。

「あああぁぁ……」

律の手がバストだけでなく背中やスカートの中まで這い回る。
普段は自分で身体を慰めることもない澪である。
薄暗い部屋の中で律の妖しい愛撫を受け続けていれば、あっという間に性感が高まってしまう。

「お尻とかおなかも澪はきれいだよね。ん〜〜〜〜……ちゅっ」

「ば、バカ律! そんなとこ舐めちゃだめぇ……汚いよぉ……」

澪の抗議にかまわず、首筋から背中……脇の下から腰のクビレまで念入りに舌を這わせる。

「喘ぐときはちゃんと色っぽく喘いでくれ!」

「エ、エロいぞ……ああぁぁ……ひゃあ!!!」

「あたしにも少しこの胸を分けてくれ、澪」

「そんなこといわれたって……はんっ! 髪を触るのもだめぇ!!」

「なんで? 澪の髪、好きなんだもん」

律は知っている。
長い黒髪を撫でながら耳を触ったり肌を合わせることが澪を感じさせるポイントだということを。

「もっとさわるよ? さわってあげる……ほら、サラサラサラ〜」

「やだ、律……こんなことされたら感じちゃう!」

「ふっふーん やっと素直になってきた」

そっと太ももの内側に指先をしのばせる。


「きゃうっ!」

「あっ、そーだ! 脚も敏感だったよね? みおーん」

ベッドの上で膝を折り曲げさせて澪をM字開脚させる。
折りたたんだ長い脚にゆっくりと指先を当てる。

「ふあっ、そこ……」

「そこ? ここ? どこ??」

感じる場所はわかっている。うち腿の真ん中あたりだ。
でもわざと徹底的に焦らしてみる。

手が届きそうで届かない快感に、澪がだんだん下半身をモジモジさせはじめる。

「ビチャビチャになっちゃう、律ぅ……」

「していいよ、舐めてあげる。ほら、もっと脚開きなよ〜〜」

「やめ……て……」

顔を真っ赤にしながら脚を開くのを拒否する。


「今日はあたしにまかせろよっ!」

律の指先が澪のパンティの紐にかかった。
丁寧に蝶々結びされている細い先端を指先でつまむ。

とうとう恥ずかしさも極まったのか、澪が両手で顔を隠してしまった。

「澪の熱いところ、久しぶりに可愛がってあげるね……」

「はぁぁぁ……」

しばらくの間、澪は声を押し殺して快感に耐え続けた。
ぷっくりと膨らんだ澪の秘所を丁寧に指先で刺激する律。
背中を抱きしめたままで腕の中の親友をジワジワと快楽の沼に沈めていく……


「おねがい……律、カチューシャとって」

「んー? フフフ、いいよ」

すっかり目元がとろけた様子の澪が、律にリクエストした。

「澪はあたしがカチューシャとると興奮するのか?」

「そ、そんなことないっ」


クリュンッ


「はうっ!」

「嘘つくと気持ちよくしちゃうぞ? 素直にいってごらん?」

「……」

「なんで好きなのか教えて、澪?」

澪の細いあごを無理やり自分のほうに向けて、律は問いかけた。
瞳の奥をじっとのぞかれて、澪は素直に受け答えするしかなかった。

「律の前髪……見慣れてないから、何だかすごくかわいいな……っておもう」

「澪ー! 声が小さーい! きこえなーい!」

くりくりくりっ♪

「ひゃはうあぅぅ……!!!」

「最後、なんていった?」

ニコニコしながら澪の感じるポイントを責め立てる律。

「かわいい……っておもうんだ。律のこと」

またもや顔を真っ赤にしながら、律の問いかけに答える澪。


「へへっ、フフフ」

「な、なんだよ!」

「聞いちゃった。澪の口から可愛いって言わせちゃった」

「へんな律っ!」

「へんでもいいよ。大好きな澪から可愛いって言われたんだもん」

「バ、バカッ!」

「バカでもいいよん♪ うれしいから、澪のことスッキリさせてあげるね」

律が澪の正面に回りこむ。
座っている澪を見下ろすように、上からゆっくりと顔を近づけた。


「ちょっとエッチなキスしよっか?」

「う……」

「澪のこと、見つめてあげる」

「律ぅ……」

澪の目に涙が浮かぶ。
大好きな律が私を見てくれている、私のことだけを見つめてくれてる。
そんな気持ちで胸がいっぱいになった。

「澪のこと気持ちよくしてから、あたしも気持ちよくなる」

「律……」

「だから、先に澪のかわいいところみせて?」

カアアアァァァ!

「……」

「もう真っ赤だね、澪……」

「ううぅぅ、だって、だって!」

「顔も真っ赤だし、下のほうもきっと……真っ赤になってとろとろだよっ」

「ば、バカ! そんな恥ずかしいことよく言えるな!?」

「澪の身体のほうが恥ずかしいことになってるよぉ??」

チュウウゥ♪


優しく重なる唇。
キスをしながら律もブラウスを脱いでいた。

「相手が澪だからだよ。もっといっぱいキスしてあげるから、もういっちゃいなよ。澪」

「律のキスすごい……なんでこんなに感じさせるんだ!?」

「澪のこと好きなんだもん」

「私も……律が好き……」

「嬉しいな。何度も何度もキスをして、心の痛みをあたしに移して!」

はむっ……んちゅ、んむ……

んちゅ、ぷちゅっ……じゅぷ……

許されることのない禁断の愛の形。
家族にも友人にも、軽音部の仲間にも教えられない秘密。
しかし、この瞬間だけは二人は心を重ねあっていた。




「ところで、澪から男を奪ったヤツっていったい誰だ?」

「それは……」

秘密の情事が終わって制服を着なおしている最中の澪に問いかける律。

「そんなの恥ずかしくて言えないよ!」

「澪! あたしが復讐してやるから言ってみろよ」

「復讐なんてしなくていいっ」

澪はそういってから深呼吸をした。
そして気を取り直して律に向かって言った。

「実は、あずさなんだ……」

「何ですと!」

「後輩に寝取られたなんて言えるわけないだろっ」

澪の言葉に律の目が点になった。


「だからっ、復讐なんて……」

「澪、それならもっと早く言えばよかったのに!!」

「へっ?」

いきなり律はケータイを取り出してどこかへ電話し始めた。


「あずさー、ちょっとー!! こっちおいでよ、あたしん家」

「えっ、バカ律っ! なにやってんだ!!」

「いーから、いーから……」

さらに素早くメールを送る律。


数分後。


ほどなくして田井中家のチャイムがなる。
なんと! 本当に梓がやってきた。




「澪センパイ、あの、私……すみませんでしたっ」

ペコリとおじぎをするマジメな後輩。
ツインテの髪がパサッと下を向いた。



あっけにとられたままの澪が律のほうへ振り返る。

「いったいどういうことだ、律!?」

「あずさは半年前からあたしのもんだ!」

「なんだってー!!」

律の言葉にコクンと頷く梓。

「澪センパイ、私は男の人とお付き合いする気はありません!」

「でもお前のせいで澪が泣きわめいて大変だったんだぞ〜、あずさ!」

「泣きわめいてないだろっ」

「センパイごめんなさい……」

「な、澪? 今から二人がかりであずさをヘロヘロにしてやろーぜっ」


田井中家の一室で軽音部の特別レッスンが始まろうとしていた。




おしまい

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