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今日は4月最初の土曜日。

花見をするにはちょうど良い天気なので、舞ちゃんを誘って近所の公園に出かけることにした。

口うるさい淫魔はもちろんお留守番だ。

舞ちゃんもたまたまお休みだということで、二人で仲良く上野のほうへと向かう。

ここは桜の名所で人も多いけど桜も多い。
缶ビールと簡単な食べ物をアメ横で買いあさる僕たち。

「お花見っていいですよね」

「そうだね、舞ちゃん」



僕のほうを見て彼女が微笑んだ。
今日は髪を下ろして白いブラウスにピンク色のスカートを履いている。
桜の花びらの形をした赤い髪飾りも可愛い。
清楚で春らしい格好が舞ちゃんにはとてもよく似合っている。

「おにいちゃんは毎年誰とお花見していたの?」

「えっ……?」

僕の手をしっかり握りながら、チラリとこちらを窺う舞ちゃん。
予想していなかった問いかけをされて回答に困ってしまう。
まさかアキバの仲間や怪しい絵描きさんたちとお花見していたなんて言えない。

「教えてくれないんだ……ずるーい」

「あ、いや……ちがうよ!」

「いいもん! 舞だって教えないモン!」

ツンと横を向く舞ちゃん。
よくわからないところでヤキモチを焼かれてしまったみたい。

「舞ちゃんはお仕事で忙しくて、お花見してくれる彼氏なんていなかったんじゃないの?」

「うっ……そんなの……あ、あたってないもん……」

ちょっといじわるな切り返しをしてみたら、どうやら図星だったようだ。
実際に人形の「空月」は老舗だけあって3月は忙しいのだろう。

そういえば鶴姫さん、元気かなぁ。

お酒強いって言ってたけど、あんな綺麗な人とお花見できたら楽しいかも。

「……おにいちゃん、なんかエッチなこと考えてる?」

「ひっ!? な、なんのことかなっ?」

「あやしいいい〜〜〜」

つるひめ……鶴田さんのことを考えてたら、思わず鼻の下が伸びてしまった。
舞ちゃんに心の中を読まれる前に、僕は前を向いて人ごみをズンズン歩き始めた。





ようやく公園の入口が見えた頃には、既にすごい人だかりだった。

都内有数のお花見スポットだから当然だ。
警察官が大声で見物客が立ち止まらないように注意を促している。
それにしても本当に見事に満開だ。
パンパンに開いた桜の花びらは、見るものに有無を言わさず綺麗だと思わせる。
舞ちゃんも嬉しそうに桜の木を見上げていた。

(舞ちゃんと桜を一緒に撮ってみたいなぁ)

バッグからデジカメを取り出そうとしたとき、舞ちゃんが大きな声を上げた。


「あれ見て、おにいちゃん!」

彼女が指差したほうを見ると、なんとそこには「お花見BF大会」の垂れ幕が!!
メガホンをもった綺麗な女の人や、近所の大学の体育会系っぽいお兄さんたちが一生懸命参加者を募っているところだった。

(こんなに人が集まっているところで、エッチな大会を開いていいのか?)

ごく当たり前の疑問を感じている僕の脇で、可愛らしい女子高生がキャーキャーいいながら受付を済ませている。
それを見た男たちもいそいそと受付に向かっていった。
非実在青年なら……いいんだろうね、きっと。
(今更ですがこの物語はフィクションです)

「なんだかすごい人だかりよ〜」

舞ちゃんの視線は、どうやら受付の奥に貼り付けてある「豪華商品多数」の文字に釘付けだ。
受付係りの人の後ろには、カラー液晶テレビやアイポッド、ティッシュ5箱、米袋10kgなど、色んな景品が並んでいる。
スポンサーは……東京都知事。ほんとか??

「優勝した人にはニンテンドーWEEスペシャル3Dがもらえるんだって!」

「へ、へぇ……」

「おにいちゃん知ってる?」

「いや……」

そんなゲーム機、聞いたことないけどなんだかすごそうだ。
プレステ6とどちらが高性能なんだろう?
多少興味あるな……

「舞も参加しちゃおうかなぁ〜」

いたずらっぽい目で僕をじっと見つめる舞ちゃん。

「だ、だめだよ!」

こんな大勢の前で彼女の体をさらすなんてありえない。
慌てる僕を見て可愛く笑い出す舞ちゃん。

「うふふっ、嘘よ。おにいちゃん」

「ふう……」

たまに舞ちゃんは暴走するから、どこまでが本気だかわからない。
仮に彼女が大会に出たらけっこう勝ち進めるとは思うけど、都の条例で引っかかるかも。

「それにね、すでに予選が終わってるんだって」

「あ、そうなの? じゃあ、あの受付ってなんだろうね??」

「お菓子とかお酒をくれるんじゃないかなぁ」

……神社のお祭りみたいだ。
でも何かもらえるなら嬉しいので、僕と舞ちゃんは列に並んだ。
そして三角クジを引いて、うまい棒(サラミ)とクッキーを貰った!

「う〜〜ん、微妙だね」

ちょっと納得行かない。
サラミよりタコヤキ味のほうが良かったのに。
首を捻っている僕の横で、舞ちゃんがBF大会のステージを指差した。

「あっ! ミキおねえちゃんだ!!」

「えっ、えええ!?」

ホントだ! つるひめ(本名:鶴田美姫)さんがいる!?



どうやらこれから本戦らしい。

「ホーホッホッホッホ!!」

今日のつるひめさんは黒のタイトスカートにフリルのついた水色のブラウスを着ていた。
淡いパステル調の私服は、桜の木の下でもコントラストはばっちりだ。
柔らかい印象を与えるメイクと、そして相変わらずの美脚。
彼女はただでさえ美しいので、観客からも熱い声援が送られている。
続いて現れた対戦相手はいかにも遊び人風の大学生。
すでに上半身は裸だ。
やる気満々なのか、やられる気満々なのかはわからないが……。

「うおー! いけー、ヤマダ!!」

「オマエのテクであの女、ヒーヒーいわせてやれ!」

「しっかし、いい女だな……ウラヤマシス」

仲間たちから羨望の眼差しと冷やかしが混じった声援が送られている。


「かわいそう……」

「どうしたの?舞ちゃん」

「相手の男の人、かわいそうだなぁって」

楽しそうとか、うらやましいの間違いじゃないかと思ったが、舞ちゃんは本気で舞台の上の男性に向かって哀れみの目を向けている。

「だって、ミキお姉ちゃんって『つるひめ様』してる時は手加減してるけど今はリミッター外れてるんだよ?」

「でも相手の男の子も強そうだよ? なんだか妙に健康的だし」

「見てればわかるよ、おにいちゃん」

そしてBF大会本戦のスタートを知らせるアナウンス。
どうやらつるひめさんの試合は一回戦らしい。
いよいよ始まる白熱のバトルに、観客もヒートアップしている!

「お姉さんは一体どんな声で喘ぐの?」

「ふふっ、知りたい?」

リングの上では男性がつるひめさんを挑発している。
すでに戦いは始まっているのだ。

「じゃあ教えてアゲル」

そしてゴングがなった瞬間、つるひめさんは流れるような動きで男性に近づき絡みついた!
相変わらずの流麗な技に僕も舞ちゃんもため息をついた。
もちろん観客たちも見とれていることだろう。

「はっ、んぐ!!ふう……!」

「んっ……んふっ、クスッ♪」

あっという間に男性の首に腕を回し、立ったままの状態でディープキスを繰り返すつるひめさん。
何度も舌先が男性の唇をなぞり、弄びながら口の中を荒らしまくる!
ファーストヒットを奪われた男性はまだ呼吸が整わない。

「な、なん……ふ、あああ!!」

「あら? 私が悶えるところ、見たいんじゃなかったの?」

キスをしながらすでに裸になっている男性の上半身をさわさわと愛撫し始めるつるひめさん。
きっと相手の男性は服を脱いできたことを後悔している事だろう。
だが彼女の細い指先はすでに男性の性感帯を捉え始めていた。

「ここがいいんだ……ウフ」

「あっ、ああああああ!!!」

男性の乳首の少し下をクリクリと荒らすつるひめのフィンガーテク。
指先がひらめくたびに彼の腰が震え、膝がガクンと折れる。

「キミが悶えてるところしかお客さんには見えてないんじゃない??」

さらに言葉責めを加えながら、相手の下半身に手を伸ばすつるひめさん。
彼女に誘導されるかのように身悶えする男性。

「くそっ、なんでこんなに……うますぎる!?」

「このままじゃつまんないから、キミにも責めさせてあげるわ……」

あっという間にズボンとトランクスを脱がせてから、彼の手をそっと包み込む。
そして自分の胸元に導くつるひめさん。

「うわっ! お姉さんの胸……お、おおきい……それにすごく気持ちいい……」

「そう? おっぱいに触るのは初めて?」

僕にはステージ上の男性の気持ちが手に取るようにわかる。
きっと彼は今、戸惑っている。
自分が胸を揉んでいるはずなのに、なぜか相手のほうが優位という矛盾に。
観客からしてみれば男が女の胸を揉んでいる構図に見えるだろうが、それは違う。
つるひめさんの胸が、彼の手のひら全部を責めているんだ!

(あれはたまらないんだよね……)

僕も触ったことがあるからわかるんだけど、つるひめさんの胸はとても気持ちいい。
ただ触っているだけでイってしまってもおかしくないほど、何かが手のひらに伝わってくる。

「ほら、もっと真面目に揉みなさいよ……ぜんぜん感じないわ」

「ちっ……も、揉んでやるさ!!」

必死でつるひめさんを責めようとする男性だったが、指先に力が入ってない様子だ。
そしてついにこの戦いに決着がつくときが来た。

「まさか……アンタ、不感症なのか!?」

「まあ失礼ね! もう許さないわよ」

男性の不用意な発言に眉根をひそめるつるひめさん。
自分の胸においた彼の手首をぎゅっと掴むと、一気に相手を押し倒した!

「もっと焦らしてあげようと思ったけど」

そして騎乗位の体勢になったまま、相手を大の字に押さえつける。
さらに上体を倒して、無理やり唇を重ねて相手をむさぼり始めた。

「奪い取ってあげる……」

すでに硬くそそり立った男性のペニスをギュっと掴んで、自らの秘所に導く。

ヌ……チュユウウウウウウ

「あっ、ああああああああ!!!!!」

「いただくわよ」

無理やり挿入された男性が声を上げる。
つるひめさんは余裕の表情を崩さずに、彼の上で微笑んでいる。

「キミがしばらく立てなくなるくらいヌイてあげる」

グチュ、クチュッ……ズチュズチュズチュズチュ!!!!

つるひめさんは静かに腰を下ろすと、素早く何度も腰を前後させた。
そして時折捻るように腰を回す。
美しいバストがふるふると揺れるが、その顔は押し倒した彼を見つめたままだ。
淫らな音が一定のリズムで周囲に響き渡る。

「手加減しないからね」

「も、もうダメだ! ギブア……あああああああ、イく〜〜〜!!!」

つるひめさんの下でバタバタ悶え始める男性。
それにかまわず腰を振りながら押さえつける彼女。
誰の目にも勝敗は明らかだったが、つるひめさんの責めが止まらない!?

「ふふっ、出た……もっと搾るよ? 覚悟しなさい」


必殺拘束正常位♪


「あ、あ、ひいいいいいいい!!!??」

つるひめさんが体勢を入れ替える。男にとっては正常位のはずだが……
その瞬間、彼の体がまた大きく震えた。
きっと強制的に二発目を搾られたに違いない。
それから一分くらいの間に3回発射させられた男性は、ぐったりと動かなくなってしまった。
つるひめさんの圧倒的勝利。

「すごすぎる……」

「ほらね、おにいちゃん」

バトルの対戦相手だけでなく、満開の桜の下で試合を見ていた男たちの股間にも白い花が咲き乱れた……






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