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「でもその前に……」

再び千春ちゃんが抱きつくようにしながら倒れこんできた。
ふわっとした彼女の甘髪の香りに一瞬包まれる。

「お兄さんが暴れないようにしちゃいます」

頭の後ろで彼女の声と、その他にカチャカチャという音が聞こえた。
ぼんやりと彼女の体温を感じていると、突然バンザイの姿勢をさせられて……


カシンッ!


(えっ……これは……!)

右手の手首に何かが巻きつけられた。慌てて見上げるとそこには……

「う、うわあっ!!」

カシャカシャカシャ!!!

「お兄さん、動かないで!」

千春ちゃんが取り出したのは皮製の手錠だった。
続いて左手も捕らえられ……あっという間に両手首がベンチの足に固定されてしまった。

「気分はどうですか?お兄さん」

「うっ……こ、こんなもの……!」

一見安っぽく見える手錠だが、その効果は充分だった。
グイグイ引っ張っても自分の手首が絞まるだけ。

「フフッ、全然動けないですね。……じゃあ選んでください。どの薬がいい?」

その様子を見て安心した千春ちゃんが再び尋ねてきた。



いきなり何色がいい……と聞かれても困る。
大体見た目や色で判断できるものでもないし。

「赤がいいの?」

黙り込む僕の視線を追いかけて、千春ちゃんが勝手に判断してきた!

「ふーん、お兄さんってエッチだね!」

な、なんでそうなるんだ?
言いようのない不安に駆られる僕。
あの薬の効用はいったい……

「このお薬はね、別名『魔女の血液』っていうのよ」

なんという不吉な響き……

「どうやって使うと思う?」

黙って首を振る僕。そんなの予想できない。
普通に考えたら赤青黄の3色の中では一番危険そうな色だ。

きゅぽっ、と薬の容器のふたを開ける千春ちゃん。
開栓したことで空気と反応したのか、早くも妖しげな湯気を放ち始めた!

「こうやって使うんですよぉ!」

突然千春ちゃんが赤い薬を口に含んだ!

「んふふー♪」

さらに千春ちゃんが僕に覆いかぶさるようにして唇を重ねてきた。
彼女の唾液と交じり合って、少し生暖かい液体が口の中に流れ込んできた。

(うぐっ……これを飲んじゃダメだ!ヤバイ!!)

僕は口をへの字に結んで抵抗した。
それを感じた千春ちゃんが、素早くわき腹をくすぐってきた。

「はうっ!……ぶ……あ、ああああ!!」

続いて細い指先が嬲るようにジリジリと僕の肋骨をなぞる。
ごっくん、と飲み下してしまった。

「お兄さん、無駄な抵抗しちゃダメですよ?」

「あああぁぁぁ…………」

結局飲み込まされてしまった。どんな薬なのか全くわからないのに。
赤い水薬はオレンジジュースのような味だった。
気のせいか、体が火照ってきた!

「ち、ちはるちゃ……この薬って一体?」

「まだ内緒です。いい子にしてくれたからご褒美あげます」

再び赤い薬を口に含む千春ちゃん。
そしてまたゆっくりと僕に顔を寄せてきた。

「もう抵抗しないでね?お兄さん」

プチュ……

小さくてひんやりとした唇が重ねられる。
彼女に言われるがままに、僕は今度は抵抗せずに薬と舌先を受け入れた。

「んっ……はむっ……んふふ♪」

千春ちゃんの舌が口の中を這い回り、歯の裏側まで丁寧に舐め上げてくる。
まるで妖しい薬を舌先で隅々まで刷り込むように。


「もっといっぱいキスしよう?舞の彼氏のお兄さん」

さらに僕の顔が動かないように両手でしっかりと固定してきた。
舞ちゃんの彼氏という部分で少し心が痛んだが、すぐに甘いキスで快感が上書きされる。

無意識に僕は自分から彼女の舌先を求め始めていた……

「ほら、もう一度……ね……?」

千春ちゃんが体を起こして再び赤い薬を口に含む。
また飲まされちゃう……でも、抵抗する気が起きない。





「さて、これくらいでいいかな?」

たっぷりと僕の口の中を弄んだ千春ちゃんが、ゆっくりと体を起こした。


「はぁ、はぁ……な、なん……で……」

「くすっ、だらしなくて可愛いお顔になってますよ?お兄さん」

口元に力が入らない。
確かに僕はだらしない顔になってるのかもしれないが……


「たくさんお薬を飲ませてあげましたから、そろそろ効いてきますよ?」

僕を解放した千春ちゃんが楽しそうに見下ろしてる。
なんとなく不安を感じた瞬間、僕の体に異変が起こった。


「うっ、えっ……?体が……・ああああ!!!」

薬を飲まされ始めてから頭はぼんやりしたままだったが、
今度は背中や太もも、胸の辺りがジンジンとしびれ始める。

いや、痺れというよりは極上の愛撫をされているように、
まるで千春ちゃんの細い指で体を内側からくすぐられているように!


「どうですか、お兄さん。あの薬、気に入ってもらえましたか?」

優しくそっと僕の乳首に触れる千春ちゃん。
その指先に反応して、ビクンと跳ね上がる僕の体。


「す、すご……いつもより……」

「フフッ、すごく敏感になって素敵でしょ?」

赤い薬の効果は相手の体を内部から犯し、体の表面も敏感にする薬だった。


「このままアソコをしごいたら、お兄さんすぐにイっちゃうかも……?」

「はぁ、はぁ……そんなことはな……あぁぁっ!?!?」

彼女の手のひらがフワリと亀頭を包み込んだ。
すでにドクドクあふれ出してるガマン汁が千春ちゃんの手を汚した。


「き、きもちい……いよぉ……」

「すごい。もうこんなにですよ?」


クチャ、クチャッ、ジュプ……

ヌルヌルの液体を指先に絡め、人差し指と中指で交互に先端と裏筋をなぞってくる。
さらに五本の指全部を使って千春ちゃんは僕を喜ばせてくる!


「こういう風にされるとどうです?」

クチュクチュクチュクチュッ!!


「ああっ、こね回さないで!!」

「かわいい、お兄さん♪」

千春ちゃんは丁寧に指先でペニスをしごきあげる。
だが棹の部分は全く触れてこない。

(ほ、ほんの少ししごいてくれたらイけるのに……!!)

彼女にばれないように腰を上下させてみても、やっぱり亀頭の部分しか刺激が来ない。
もどかしい表情の僕をじっとみつめながら千春ちゃんの愛撫は続く。


何度も何度も繰り返される寸止めのような亀頭愛撫と、敏感な体の表面への愛撫。
すっかり呼吸を乱された僕を見ながら千春ちゃんが妖しく微笑んだ。


「じゃあそろそろお兄さんの心を奪ってあげます」

千春ちゃんがゆらりと立ち上がった。



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